学祖ゆかりの地・山鹿市で市民参加型実証研究を実施―生命科学部・加藤啓子研究室が温泉と生活習慣の影響を検証
2026年2月16日(月)から20日(金)にかけて、熊本県山鹿市において、市民参加型の健康づくりに関する実証研究を実施しました。本事業は、山鹿市との包括連携協定に基づく取り組みの一環として行われたものです。
山鹿市は、学祖・荒木俊馬の生誕地であり、2014年の協定締結以来、教育分野を中心に交流を続けてきました。今回、その連携を研究分野へと広げる形で、地域資源を活かした実証研究が実現しました。
また、山鹿市は「健幸都市宣言」を掲げ、市民の健康増進をまちづくりの重要な柱としています。本研究は、こうした市の健康づくりの取り組みとも連動する形で実施されました。

「健康都市宣言」を掲げる熊本県山鹿市
舞台となった山鹿温泉「さくら湯」

温泉と生活習慣を科学的に検証
研究には、生命科学部の加藤啓子教授をはじめとする加藤研究室が参画しました。山鹿温泉「さくら湯」を拠点に、温泉入浴や日常生活習慣が心身の健康状態に与える影響を検証しました。
加藤研究室では、尿中代謝産物の解析を通じて心身の状態と体内代謝の関連を探る研究を進めており、本実証研究は、その成果を地域の生活の中で検証する試みです。
期間中は、40歳以上の山鹿市民を対象に、採尿・採便による試料提供、握力・歩行速度などの身体測定、生活習慣に関するアンケートを実施し、155名が参加しました。
温泉入浴習慣の違いが心身の状態にどのような影響を与えるのかを多角的に分析し、地域資源の健康科学的価値を検証します。
参加者からは「健康状態を見直す良い機会になった」「温泉の効果を科学的に検証する取り組みは興味深い」といった声も寄せられました。
収集したデータは、個人が特定されない形で整理・分析され、山鹿市の健康施策および本学の研究の発展に活用されます。
加藤啓子教授 コメント
「山鹿温泉地域の皆様のご協力のもと、学祖ゆかりの地で市民参加型の健康づくり実証研究を実施できたことを大変光栄に思います。温泉入浴習慣が心身の健康に与える影響について、多角的かつ科学的に検証できる貴重な機会を得ることができ、155名もの市民の方と健康づくりの意識を共有することができました。帰京後は、腸内細菌叢(腸内フローラ)や尿中代謝産物を含めた健康関連データの解析を進めており、介護予防・健康づくり施策へ活用可能な研究結果の提示を目指していきます。」
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研究実施にあたり、山鹿市 早田順一市長をはじめとする市関係者の皆様と意見交換を行いました。

山鹿市内にある「学祖 荒木俊馬 生誕の地記念碑」を訪れた加藤研究室