令和7(2025)年11月30日(日)むすびわざ館ホールにて、特別展の関連イベントとして講演会「上賀茂神社と秀吉文書の魅力」を開催しました。
賀茂別雷神社の髙井俊光(たかい としみつ)宮司にごあいさついただき、賀茂別雷神社史料編纂会編纂委員の藤田恒春(ふじた つねはる)先生を迎え、賀茂別雷神社文書が作成された歴史的背景から、その中に含まれる豊臣秀吉の古文書の特徴に至るまで、歴史上の出来事を身近に感じられるようなわかりやすいご説明で、詳しくお話しいただきました。
賀茂別雷神社文書は、上賀茂神社を運営していた人々が書き残した古文書を中心に、神社や氏人たちに送られてきたものを含めて13,639通もの膨大な古文書群を形成していること、その歴史的背景や内訳について、まずご説明していただきました。
その中で、豊臣秀吉から上賀茂神社に出された朱印状は、確認できるものだけでも30通をこえており、京都や奈良の社寺の中でも数が多く、秀吉の朱印状の歴史的変遷を追うことができる点でも貴重だそうです。秀吉は自らの立場の変化に伴って、署名のしかたや言葉遣い、料紙などを変え、相手と自分との関係性を書状で明確にしたそうで、多数の古文書の画像を見ながら、お教えいただきました。
最後に、近年の古文書研究と活用の流れを振り返って上賀茂神社の活動を評価され、今後も古文書活用の道が開かれることを願われるお言葉がありました。古文書研究の環境が整えられることの難しさ、重要性を考えさせられる一幕でした。
参加者の方からは、「文書の形式等から様々なことが類推されることが興味深かった」、「賀茂社の維持のためいろんな活動があったことを知ることができました」、「朱印の場所、文言、花押の大きさまで相手の身分や自分との関係性によって決まりがあったことは秀吉文書において顕著であったと理解しました」とのご意見が寄せられ、古文書に書かれた文章だけでなく、古文書そのものから多くの情報が読み取れること、その魅力を感じることができた貴重なご講演となりました。