21 『増補呪詛調宝記大全』

安永10年(1781)菊屋喜兵衛刊。目的別に呪符の書き方らやまじないなどを一覧した書。元禄12年(1699)に刊行された『咒詛調法記』と続編の元禄14年(1701)『陰陽師重宝記』を合綴した物。その後も天保13年(1842)に『新撰呪詛調宝記大全』が刊行されており、近世を通してこうした書物の需要があった。本書には「鳥家へはいる時」などの些事から、各種の病気、「狐憑き」など約350種に及ぶ多様なまじないが掲載されている。生活の中に呪術が根付いていたことがうかがえる。

(村上 紀夫)

PAGE TOP