Letters
PROFILE
- ラグビーW杯2019アンバサダー 大畑 大介さん
[ 1998年 経済学部 卒 ] - 1975年生まれ、大阪府出身。卒業後、神戸製鋼コベルコスティーラーズに加入、日本代表のトライゲッターとして活躍し、国際試合トライ数69の世界記録を樹立。 2011年に現役を引退。現在は、スポーツキャスター、神戸製鋼コベルコスティーラーズアンバサダーのほか、ラグビーW杯2019アンバサダーを務め、日本初開催の大会を支える。
ベクトルは自分自身に向けよう。
そして動けば結果は必ず出る。
自分にとって一番厳しい環境はどこだろうか。大学進学時に考えたのは、この一点でした。だから当時、最も練習量が多いといわれていた京都産業大学を選びました。
高校時代に体が小さいという理由で、高校日本代表の最終選考で外されました。結果的にはケガ人が出て、繰上げで高校代表にはなれたのですが、このとき心に刻み込まれた悔しさを消すには、ひたすら練習するしかない。大学入学後、練習パートナーにしてもらった先輩は、私より小さいのに日本代表でした。そんな先輩からはひたむきに練習に向き合う姿勢と、積み重ねた練習量が揺るぎない自信へと変わる実感を授かりました。
在学中、最も印象に残っているのは4年次生でキャプテンに選ばれたことです。それまでは監督が決めていたキャプテンを、自分たちで決めました。その方が当事者意識が生まれ、チームへの愛着も高まると考えたからです。
キャプテンとしての第一声は「みんなが私をキャプテンに選んだのだから、その人選にそれぞれが責任を持ってほしい。みんなでチームを作っていこう」でした。私一人が頑張ってもチーム全体を引っ張ることは難しいと考え、試合に出られないメンバーも含めて、一人一人がチームのために全力で動けば、自ずとチーム全体で向上していけるのではと思っていたからです。その思いは、意外にも私がケガをしたことがきっかけで、実を結びました。見事なぐらいにメンバーが、何ごとも自分事と考え自発的に動いてくれたのです。可能性の枠を広げられるのは自分しかいません。誰もが自分自身に意識を向けて一歩を踏み出せば、必ず道は開けます。
人生は誰にとっても一度きり。思いきり多彩な経験を楽しもう。
幸い、今の世の中には既に数多くのレールが敷かれています。とにかくたくさん経験すればいいのです。ただし自分が乗るレールは自分で決めるように。一度しかない人生なのだから、誰もが少しでも多くの成功体験を手に入れたいはずです。体験を多く積めば、それだけ夢が叶う可能性も高まります。
自分の体験に対する他人の評価など、気にする必要はまったくありません。人がどう思おうと、自分が「できた」と確信できるなら私は素直に喜びたい。うまくいかないときに感じるストレスも大歓迎です。なぜならストレスこそが成長の原動力になるのだから。そしてストレスをクリアしたときのしびれるような解放感は、苦境を乗り越えた者だけが得られるのです。
何か大きなものを手に入れたいなら、目標を人に見えるように書き出してみるのも一つの方法です。ゴールにたどり着くまでの細かな過程は、自分の中で考えておけばいいのです。私はいつも、あえて引くに引けないような大きな目標を宣言して自分を奮い立たせてきました。
ラグビーワールドカップの開幕が近づいてきましたが、ぜひ日本代表の活躍に期待してほしいですね。また、ラグビーだけでなく日本の魅力を世界に発信する舞台になることを楽しみにしています。
挑戦に踏み出す
ための、合言葉
何でも積極的に経験しよう
大学入学時に持っていた思いや卒業するときに到達したいゴールを、もう一度思い出してみましょう。その目標に対して、今どこまで近づけていますか。次にやるべきことは見えていますか。目標がまだ定まっていないなら、とにかく好奇心をもっていろいろチャレンジすればいい。自分の意思で積極的に動いた経験は、結果がどうであれ必ず人生の糧になります。大学時代の4年間、思うままに何でもできる自由な時間を大切にしてください。