令和5年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 初年次教育科目
1.「学習成果実感調査」についての分析結果
本報告においては、令和5年度秋学期の「学習成果実感調査」において実施された、「複眼的思考で見る多様な世界」1クラス(回答率67.3%←37.8%(昨年)←26.2%(一昨年))、「日本語表現1」(9クラス中9クラス)(回答率49.8%←43.1%(昨年)←39.0%(一昨年))、「日本語表現2」(5クラス中5クラス)(回答率28.5%←26.5%(昨年)←32.1%(一昨年))を中心とした初年次教育科目群全体(22クラス中22クラス)(回答率50.0%←34.7%(昨年)←40.7%(一昨年))の結果を一体としてまとめて、主だった設問を中心に分析する。
昨年度までは、コロナ禍においてオンライン環境の中での授業の影響が続いたのか低回収率が続いたが、今年度においては、まだまだ満足できる水準ではないものの、本調査の回収率も徐々に改善の兆しもみられる。ただ単に回答を呼びかけるだけではなく、授業時間内での一斉実施や、学生にとってそれぞれの授業の学習成果の可視化を意識しながら学習に取り組むことが自らの成長につながっていることについての啓蒙など、回答率向上に向けた取り組みが求められよう。
以下、初年次教育科目群全体での回答傾向から、今後の授業改善・カリキュラム改善に向けた示唆を求める。当該科目の学習を通じて大学で学ぶ意欲が高まったかを尋ねた設問4については、「強くそう思う」28%←26%(昨年)←30%(一昨年)、「そう思う」47%←50%(昨年)←53%(一昨年)、両方で75%←76%(昨年)←83%(一昨年)とやや漸減傾向が看取できる。今後とも注意深く見守っていく必要がある。大学で学ぶための知識を得たり、スキルを伸ばすことができたかを尋ねた設問6については、「強くそう思う」29%←27%(昨年)←29%(一昨年)、「そう思う」46%←53%(昨年)←46%(一昨年)、両方で75%←80%(昨年)←75%(一昨年)となり、増減の差はほとんど見られない。初年次教育科目の目的という観点からは、概ね良好な結果を得ているともいえようが、引き続きさらなる改善を見据えた取り組みが必要であろう。
上記二つの設問は、大学教育への意欲と基礎スキルという初年次教育科目の基本的課題に関わるものであり、総じてしかるべき教育効果は果たされていると思われる。コロナ禍で学生の授業への関り度合い(エンゲージメント)が懸念されたが、総合的な科目満足度を尋ねた設問5においては「強くそう思う」28%←35%(昨年)←45%(一昨年)、「そう思う」48%←50%(昨年)←44%(一昨年)となり、合わせて76%←85%(昨年)←89%(一昨年)になる。昨年一昨年よりも学生の評価が下がっていることが気になるところである。自分の専門外の学問分野について興味・関心が高まったかを尋ねた設問7においても、「強くそう思う」26%←27%(昨年)←28%(一昨年)、「そう思う」45%←51%(昨年)←49%(一昨年)」、両方で71%←78%(昨年)←77%(一昨年)であり、肯定的評価は少しだが下がってきており、注意する必要がある。
リレー式科目である「複眼的思考で見る多様な世界」(本学に設置されている様々な教育研究及び学生サービスのための組織の役割と機能を解説)についても、「強くそう思う」26%、「そう思う」47%、両方で73%となっている。自由記述においては、「私は、初めこの科目名を見たときとても難しいと思いましたが、シラバスを読んで大学の様々な施設や多様的な考え方が理解できると思いこの科目を受講しました。この科目では 大学にはどのような施設があるかを知ることができ、将来についても考えるようになりました。この授業をとって本当に良かったです。半年間、ありがとうございました。」「大学についてだけではなく今後どんな自分になりたいか、なりたい自分になるためには大学生活をどのように送ればいいかどんな施設があるのか理解することが出来て良かった」「私はこの授業を4回生で受講しましたが、大学生活を過ごしていく上で、役に立つ知識や、もっと早く知っておきたかったことが多々あったので、できればもっと早くこの講義に出会いたかったです。」といった記述がみられ、科目の目的は概ね果たされていると推察される。
昨年度までは、コロナ禍においてオンライン環境の中での授業の影響が続いたのか低回収率が続いたが、今年度においては、まだまだ満足できる水準ではないものの、本調査の回収率も徐々に改善の兆しもみられる。ただ単に回答を呼びかけるだけではなく、授業時間内での一斉実施や、学生にとってそれぞれの授業の学習成果の可視化を意識しながら学習に取り組むことが自らの成長につながっていることについての啓蒙など、回答率向上に向けた取り組みが求められよう。
以下、初年次教育科目群全体での回答傾向から、今後の授業改善・カリキュラム改善に向けた示唆を求める。当該科目の学習を通じて大学で学ぶ意欲が高まったかを尋ねた設問4については、「強くそう思う」28%←26%(昨年)←30%(一昨年)、「そう思う」47%←50%(昨年)←53%(一昨年)、両方で75%←76%(昨年)←83%(一昨年)とやや漸減傾向が看取できる。今後とも注意深く見守っていく必要がある。大学で学ぶための知識を得たり、スキルを伸ばすことができたかを尋ねた設問6については、「強くそう思う」29%←27%(昨年)←29%(一昨年)、「そう思う」46%←53%(昨年)←46%(一昨年)、両方で75%←80%(昨年)←75%(一昨年)となり、増減の差はほとんど見られない。初年次教育科目の目的という観点からは、概ね良好な結果を得ているともいえようが、引き続きさらなる改善を見据えた取り組みが必要であろう。
上記二つの設問は、大学教育への意欲と基礎スキルという初年次教育科目の基本的課題に関わるものであり、総じてしかるべき教育効果は果たされていると思われる。コロナ禍で学生の授業への関り度合い(エンゲージメント)が懸念されたが、総合的な科目満足度を尋ねた設問5においては「強くそう思う」28%←35%(昨年)←45%(一昨年)、「そう思う」48%←50%(昨年)←44%(一昨年)となり、合わせて76%←85%(昨年)←89%(一昨年)になる。昨年一昨年よりも学生の評価が下がっていることが気になるところである。自分の専門外の学問分野について興味・関心が高まったかを尋ねた設問7においても、「強くそう思う」26%←27%(昨年)←28%(一昨年)、「そう思う」45%←51%(昨年)←49%(一昨年)」、両方で71%←78%(昨年)←77%(一昨年)であり、肯定的評価は少しだが下がってきており、注意する必要がある。
リレー式科目である「複眼的思考で見る多様な世界」(本学に設置されている様々な教育研究及び学生サービスのための組織の役割と機能を解説)についても、「強くそう思う」26%、「そう思う」47%、両方で73%となっている。自由記述においては、「私は、初めこの科目名を見たときとても難しいと思いましたが、シラバスを読んで大学の様々な施設や多様的な考え方が理解できると思いこの科目を受講しました。この科目では 大学にはどのような施設があるかを知ることができ、将来についても考えるようになりました。この授業をとって本当に良かったです。半年間、ありがとうございました。」「大学についてだけではなく今後どんな自分になりたいか、なりたい自分になるためには大学生活をどのように送ればいいかどんな施設があるのか理解することが出来て良かった」「私はこの授業を4回生で受講しましたが、大学生活を過ごしていく上で、役に立つ知識や、もっと早く知っておきたかったことが多々あったので、できればもっと早くこの講義に出会いたかったです。」といった記述がみられ、科目の目的は概ね果たされていると推察される。
学部独自のFD活動についての報告
(1)公開授業とワークショップ
令和5年度においては実施例なし。(2)その他研修会等
- 自己発見と大学生活 担当教員会議
- テーマ:授業の進め方と留意点、実施時の課題
- 概要:統括教員からの説明と質疑応答、意見交換
- 実施日:4月1日(金)14:30~15:30(T304) 7月12日(水)12:30~13:10 (オンライン)
- 参加人数 両日とも約10名(うち職員1名)
- 自己発見と大学生活 情報交換会
- テーマ:授業実施時の手法とその共有、今後の課題
- 概要:統括教員の司会による、情報交換と振り返り
- 実施日5月17日(水)16:45~18:15 (オンライン)
6月28日(水)16:45~18:15(オンライン)
8月23日(水)14:00~15:00(オンライン) - 参加人数 各回とも約15名
2. 総括
(1)1において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所
大学で学ぶことの意義とその意欲の増進、さらには、大学での学びのためのスキルの修得、多様な視点を学生が獲得することに貢献しており、初年次教育科目としての役割を十分に果たすよう、カリキュラム設計がなされている。
(2)1において確認された改善すべき点
大学で学ぶためのスキルの獲得については概ね高い数値での横ばい状態が続いているが、学生の意欲、受講者の満足度、専門外への関心喚起がやや下がっているのが気になる。この種の調査結果の数値の上下はありうることで、全体として科目の成果は概ね果たされていると思われるが、今後は注意深い観察と検討が必要であるし、最近の学生の考え方や行動様式なども考慮する必要があるのかもしれない。リレー式科目については、本学の各センター組織からの出講とすることで、科目としての一体感の進捗効果はみられていると判断できるし、学生に有用な知見を提供できていると判断できるが、講義者間の科目の到達目標等についての認識の一致など引き続いての改善努力が必要であろう。
3. 次年度に向けての取り組み
春学期開講科目である「自己発見と大学生活」では、教科書やティーチングガイドブックの改訂、学生ファシリテーターへの研修など、実施体制や教材等のさらなる充実・改善が取り組まれている。対面授業の全面的再開に対応してグループワークのポスター発表も再開する予定である。コロナ禍による授業オンライン化のため、内容の一部変更を余儀なくされてきたが、対面授業復活から3年目を迎え、担当教員へのFD等の充実や多様性への配慮も図られている。