令和3年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 初年次教育科目

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

本分析は、「学習成果実感調査」が実施された、「複眼的思考で見る多様な世界」1クラス(回答率26.20%)、「日本語表現1」(10クラス中)5クラス(回答率38.97%)、「日本語表現2」(6クラス中)2クラス(回答率32.08%)、その他のクラス(10クラス中)7クラス(回答率64.77%)の合計15クラスの結果を総合したものである。昨年度に引き続いてのオンライン環境の中での調査実施ということからか回答率は低く、40.74%(昨年は38.9%)であった。当該科目の学習を通じて大学で学ぶ意欲が高まったかを尋ねた設問7については、「強くそう思う」36%(昨年は28%)、「そう思う」51%(昨年は57%)、両者で 87%(昨年は80%)、大学で学ぶための知識を得たり、スキルを伸ばすことができたかを尋ねた設問8については、「強くそう思う」28%(昨年は32%)、「そう思う」49%(昨年は53%)、両者で 77%(昨年は85%)となり、昨年より微増と微減が交錯しているが、初年次教育科目の目的という観点からは、概ね良好な結果を得ているといえよう。コロナ禍で学生の授業への関り度合いが懸念されたが、授業満足度も総じて高い。総合的な科目満足度を尋ねた設問12においては「強くそう思う」45%(昨年は43%)、「そう思う」44%(昨年は47%)となり、合わせて89%(昨年は90%)にも及ぶ。ただ、自分の専門外の学問分野について興味・関心が高まったかを尋ねた設問8においては「強くそう思う」28%(昨年は23%)、「そう思う49%(昨年は49%)」、両者で 78%(昨年は72%)であり、肯定的評価は微増しているが、さらなる改善が期待されるところである。リレー式科目である「複眼的思考で見る多様な世界」については、自由記述において、「大学のシステムについて知らないことが多くて驚きました。」「就活に備えるために何をすべきか悩んでいた時に、進路・就職センターの授業動画を見て活用してみたいと思いました。大学について知らなかった情報を知ることができて良かったです。」といった回答があり、本授業の目的である、大学の諸施設を利用してのStudent Successの達成に貢献できていることがうかがえる。本分析対象である5つの科目は、それぞれ性格が異なるので一概に考えることには慎重でなければならないが、また、回答率が高くないので学生側の達成度をどこまで反映できているか限定的に受け止めなければならないが、履修者の動向やニーズに留意しながら、科目内容の今後の改善を図っていきたい。

2. 総括

(1)1において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

大学で学ぶことの意義とその意欲の増進、さらには、大学での学びのためのスキルの修得、多様な視点を学生が獲得することに貢献しており、初年次教育科目としての役割を十分に果たしている。

(2)1において確認された改善すべき点

科目の効果や受講者の満足度は、概ね良好ではあるが、専門外への関心喚起や科目構成の在り方の検討など、カリキュラムの全体的なデザインの観点を踏まえて、さらなる改善の余地があると思われる。リレー式講義については、本学の各センター組織からの出講とすることで、科目としての一体感の進捗効果はみられていると判断できるし、学生に有用な知見を提供できていると判断できるが、講義者間の科目の到達目標等についての認識の一致など更なる改善が必要であろう。

3. 次年度に向けての取り組み

「自己発見と大学生活」は、教科書やティーチングガイドブックの改良など、教材等のさらなる充実・改善が取り組まれている。コロナ禍による授業オンライン化のため、昨年度は内容の一部変更を余儀なくされたが、本年度は対面授業実施によって、一昨年度のティーチングガイドブック改訂に基づく授業が本格的に検証されることになる。
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