チェコ共和国 パラツキ—大学
外国語学部 英語学科 イングリッシュキャリア専攻 山本 里緒さん
| 留学先 | チェコ共和国 パラツキ—大学 哲学部 |
|---|---|
| 留学期間 | 2015年9月~2016年7月 |
| 留学アドバイザー | 外国語学部 ギリス・アマンダ教授 |
| 出身高校 | 滋賀県立 国際情報高等学校 |
長期留学のきっかけ
ヨーロッパ・チェコで留学
私がチェコで留学するというのを決めたのは、二年生の春です。一年生の秋学期にヨーロッパの文化について学ぶ特別英語の科目を受講しており、実際にヨーロッパの文化、歴史や社会についてもっと詳しく知りたいという気持ちが沸き、ヨーロッパへ留学してみたいという思いが芽生えました。また2015年度から新しい協定校が数か所加わり、その中にチェコ・オロモウツにあるパラツキー大学があり、ヨーロッパで留学、また新しく加わった協定校というのに惹かれました。
私自身、その時はチェコについて全く知らず、まずチェコがどこにあるのか、何が有名で、チェコ語も全く分からないし、新協定校のため情報量も少なかったです。そこで、チェコやパラツキー大学についてインターネットなどを使用し、リサーチしました。チェコは、ヨーロッパの中心に位置し、“中欧”と呼ばれる国で、四方をドイツ、ポーランド、スロバキアやオーストリアに囲まれ近隣の欧州諸国へのアクセスがとても良いです。首都のプラハは世界一きれいな街ともいわれるほど、未だに、中世の文化や雰囲気が残る綺麗な場所、中欧の歴史はとても興味深く複雑だということを知り、チェコへの興味がますます沸いてきました。またオロモウツはチェコ第5の都市で、中世の雰囲気や建物を多く残しているというのを知り、パラツキー大学でヨーロッパの歴史、文化や言語を学びたいと思ったのがチェコを選んだ理由でした。
履修科目
哲学部 — English Philology
私は秋セメスターに8科目、春セメスターに5科目履修しました。哲学部の専門科目、チェコ語、中欧やヨーロッパに関する授業や語学系の授業などを受講していました。授業時間数は、一クラス90分で、チェコ語のクラス(週2回)以外は、週1回の授業がほとんどでした。秋学期は週5日授業があり、Modern American Society、Intensive Course of Czech for Foreign students、Survey of Czech Music、Core Fields of European Culture、Woman in the Middle Ages、English 3、Business English、English Grammar Essential の計8科目を受講していました。
春学期は、5科目履修し、週3日授業がありました。Jesus Christ Superstar: 2nd Temple Jud.、Central European Culture and Society、Magic and Witch-hunts in Early Modern Europe、Intensive Course of Czech for Foreign students、Business English 2を受講していました。多くても、1日3科目までが事前事後学習など考慮しての限界かなと自分自身で決めていたので、このような時間割にしました。
ヨーロッパ・チェコならではの授業
受講授業内容
90分の授業を週2回、留学生向けのチェコ語の授業を受けていました。授業は、チェコ語で書かれた教科書と単語帳・文法が英語で書かれたもの、計2冊使用していました。様々な国から来た留学生が受講しており、にぎやかで楽しいクラスでした。チェコ語の授業はとらなくても良いものでしたが、せっかくチェコに留学に来ているし、チェコ語が少しわかったほうが便利かなと思い授業を受けていました。チェコ語はスラブ言語といわれていて、格変化がたくさんありとても難しい言語といわれています。しかし、受講生全員がゼロからのスタートなので、チェコ人の先生がわかりやすく教えてくれました。チェコ語はとても難しいですが勉強しがいがあります。授業内では、CDを使ってリスニングをしたり、チェコ語の単語がかかれたカードを使ってグループで競い合うゲームをしたりしていました。レッスンが終わる毎に、小テストがあり週末はよく部屋にこもって勉強していました。
中欧文化と社会について
~Central European Culture and Society~
近世ヨーロッパにおける魔女狩り
~Magic and Witch-hunts in Early Modern Europe~
英語について
授業外の時間
滞在先
~オロモウツでの寮生活~
異文化交流
休暇中
~オロモウツ~
大学の授業がない時や週末は、課題に追われる時がありましたが、それ以外の時はルームメイトや友達と近くのショッピングモールに買い物をしに行ったり、レストランにランチを食べに行ったり、カフェに行ったりしていました。オロモウツはプラハに比べ物価が半分ほどで安く、ランチもドリンクを頼んでも、100コルナ(約430円)ほどでした。オロモウツだけでなく、チェコにはTea Houseがたくさんあり、チェコ人はそこでお茶や紅茶などを飲んでゆったり友達と話しながら過ごしたりするのが好きみたいです。私もチェコ人の友達とたまに、Tea Houseにいってお茶を飲みながら、ゆったり過ごしていました。また。カフェとは違い、ゆったりとした落ち着いたところが多かったです。
オロモウツの中心広場には、世界遺産に登録されている三位聖一体柱といわれる建造物があり、そこは観光スポットとして有名できれいです。時々、ここでマーケットが開かれ、手作りのアクセサリー、スカーフ、小物類など様々な種類のチェコらしい物が購入できます。クリスマスやイースターの時は、大きなマーケットが開かれ、クリスマスツリーやイルミネーションが装飾されてとてもきれいです。チェコの伝統的な食べ物などが多く並び、またPunčとよばれる果物が入ったホットワインをチェコではよくこの時期になったら飲むのが習慣みたいです。寒いオロモウツの冬にはぴったりの飲みやすいクリスマスの飲み物でした。クリスマスマーケットではコンサートが開かれ、チェコの伝統的な音楽の演奏や劇などが披露されていました。
クリスマスマーケット
~オロモウツの街並み~
~ERASMUS ~
~ヨーロッパ旅行~
留学の成果
約10ヶ月間のオロモウツでの留学は、私自身をいろんな意味で成長させてくれたと思います。最初は、異国の地でチェコ語もわからないし、どうなるのか心配でした。留学し始めてすぐ、ホームシックになって泣いたり人間関係で悩んだり、自分自身の英語力や進路についてすごく考えたりしていた日々を過ごしていました。そういった時に励まして支えてくれたのは、家族や一緒に留学していた友達でした。リーディング、レポート、期末テストに追われていた時や、本当に辛くて諦めそうになった時もあります。学部の授業は、レベルが高くて全くディスカッションに参加できず、毎回授業後は心が折れていました。授業を休みたいときもあったし、レポートを出さなくてもいいかなって考える時もありました。しかし、一生懸命最後まで諦めずに頑張ったおかげで、今の自分がいるし、自信にもつながっていると思います。たとえつらいことがあっても、諦めずに、また新しいことへ挑戦するチャレンジ精神を持つことの大切さ、人と人とのつながりの大切さをこの留学で改めて気づくことができたと思います。 いろいろな国の留学生と関わることができて、英語が上達したということだけでなく、自分の視野が広がったのもこの留学の成果だと思います。また日本にいるときには気づかなかった、価値観や文化の違いを感じることができたし、それが新しい発見で楽しかったです。
しかし、留学中は楽しいことだけでなくつらい経験もしました。自分ではどうしようもできないこともあって、悩んでいた自分もいました。そういった楽しいだけでなく、苦い経験もあったこの留学のおかげで、自分を客観的にみて、また向き合えることができたと思います。
今後について
この留学において、私は自分と向き合えたからこそ自分自身の強みや弱みを知ることができました。チェコでの留学生活で経験したこと、学んだことを就職活動の際に活かせればと考えています。本学において、これからも英語のみならず様々な分野で勉学に励みたいと思います。また、これから留学を考えている人の手助けができれば良いなと思います。
最後になりますが、京都産業大学海外留学特別奨学生として採用していただき、本当にありがとうございました。また、国際交流センターの方々、留学アドバイザーのギリス先生には交換留学応募時から帰国後、そして単位認定までの長い間、いろいろな相談に乗っていただきサポートしていただいて、とても感謝しています。ありがとうございました。
留学中は、楽しいことだけでなく、つらいこともたくさんありました。私一人の力だけでなく、日本で応援してくれていた家族、友人、先生方、多くの人々の支えがあったからこそ、無事に留学生活を終えることができたと思います。この留学経験を活かして、今後も本学において勉学に励むとともに、自分の将来に向けて努力を惜しまず、成長していきたいです。本当にありがとうございました。