「岩畔人間学における技術論について」

報告者 川合 全弘(所長・法学部 教授)
開催場所 オンライン開催
開催日時 2020年8月26日(水)15:00~18:00

研究会概要

第3回定例研究会は、「岩畔人間学における技術論について」と題して川合全弘所長による報告がオンラインで行われた。報告の目次は次の通りである。1.技術論の背景としての岩畔豪雄の経歴と問題意識、2.岩畔人間学の概要と目標、3.人間学から見られた技術論、4.岩畔における兵学と人間学の関係。

岩畔の技術論は、直接的には、軍事技術の発展が近代兵学にもたらした袋小路——核戦力の登場による近代戦争概念の無効化——の認識を出発点とする。岩畔晩年の著作『科学時代から人間の時代へ』は、この問題を、兵学という一特殊分野を超えて、科学技術を基軸とする近代文明一般の根本的な転換の必要というより広い視野から考察し、その方向性を「人間学」という理念によって示そうとするものであった。川合報告は、このような問題意識が岩畔による世界問題研究所設立の趣旨であったこと、そして「科学技術の発展と人類社会の変化」をテーマとする研究所の現行プロジェクトもこのような趣旨に沿って科学技術文明の問題を考察しようとするものであることを主張した。

その後、岩畔における技術論と人間学の関係や、岩畔人間学の本質が何であるかなどについて、活発な質疑応答が行われた。
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