若林 憲一

WAKABAYASHI KENICHI
生命科学部 産業生命科学科 教授
学位
博士(理学)
専門分野
細胞生物学(細胞運動)、植物生理学、光生物学

研究テーマ

遊泳性藻類の光行動と繊毛運動調節の分子機構

高校生に向けた研究内容の紹介

単細胞緑藻クラミドモナスと、その近縁のボルボックスなどを材料にして、これらの生物が光刺激に応答して示す走光性などの光行動と、その際に生じる繊毛運動の調節のメカニズムを研究しています。こうした藻類の生態を知ることは、藻類オイルなどのグリーンエネルギーの開発や、赤潮や緑潮など、藻類が原因の環境被害対策などに役立つと期待されます。また、繊毛に関する知見は、ヒト原発性不動繊毛症候群の理解に役立つと期待されます。

ゼミナール/研究室のテーマ

藻類が光環境に応じて泳ぎ方を変えるしくみとその意義

モデル単細胞緑藻クラミドモナスや、多細胞緑藻ボルボックスなどを材料にして、藻類が光に応答して行動を変容させる、走光性などの光反応行動の調節分子機構を研究しています。顕微鏡を使った行動観察実験と、運動調節に関わる遺伝子やタンパク質の分子細胞生物学実験を並行して行います。

ゼミ/卒業研究の紹介

特別研究では、学生は藻類の培養や顕微鏡観察などの基礎的な手法を学んだのち、各自が興味をもった分野に合わせた研究テーマを教員と相談して決めます。ミクロの世界の生物の運動を、多様な手法で観察することそれ自体も楽しいと思いますが、多様な業種で活躍している卒業生によると、「実験結果を記録し、定量し、文献を調べて考察し、人前で発表して討論する」という、研究に必要な一連の作業の経験が、直接仕事に役立っている、とのことです。

プロフィール

父の仕事の関係で英国で生まれましたが、数ヶ月で日本に移り、以後ほとんどの時間を東京とその近郊で過ごしました。2023年4月に本学に着任し、初めての関西での生活を楽しんでいます。学生時代は合氣道に打ち込んでいました。若い頃はバイクで、今は車で旅をするのが好きです。

高校生へのメッセージ

高校生の皆さんには、本を読むことと、いろいろな人(家族、友人、先生、…誰でも良い)と話すことを勧めたいです。読書と、人との会話は、自分の頭の中にないキーワードを与えてくれて、世界を広げてくれます。世界が広がると、自分が学びたいこと、生業としたいことが見えやすくなると思います。もしもそれが生物学だった場合は、教科書の中で「?」となっている部分を、一緒に「!」に変えていきましょう。