染谷 梓

SOMEYA AZUSA
生命科学部 産業生命科学科 准教授
学位
博士(獣医学)
専門分野
獣医微生物学

研究テーマ

動物にも人にも感染する細菌の生態と病原性

高校生に向けた研究内容の紹介

私たちの身のまわりにはたくさんの生き物が存在しています。それらの生き物同士はお互いに関わりあっています。その関わりあいの中で、広まっていくのが感染症です。私たちの研究室では、とくに人と動物の関わりあいの結果広まる感染症(人獣共通感染症といいます)のうち、マダニやノミなどの節足動物が病原体の橋渡し役となる、節足動物媒介性の人獣共通感染症について研究しています。

細菌の生態と病原性を調査し人々の安全に寄与する

細菌学や獣医微生物学が専門で、主にマダニを媒介とした感染症の研究をしています。自然界では人がダニにかまれることで発生する病気があり、かつて歌手のジャスティン・ビーバーがかかったことで知られる「ライム病」も、その1つです。
中でも私が研究しているのは、リケッチアとバルトネラという細菌の仲間による病気の発生。具体的には、山の中に行ってマダニを採集し、それをすりつぶしてDNAを取り出し、機械で増幅させて検査していきます。そうやって地道にどんな病原体を持っているのかを記録し調査していくのです。

例えば、これまで前例のない動物の中からマダニの病原菌が発見された場合。人々がより安全に暮らせるように、病気がどう広まっていくか、どういう原因があるかを世間に広めていく。感染症にかからないためには、身近にどんな病原体が存在しているかを知ることが大事です。きちんとした情報を蓄積して周知する。産業と生命科学を結び付けることによって、広く世の中に役立てることを目指します。

ゼミナール/研究室のテーマ

動物にも人にも感染する 細菌の生態と病原性

動物と人の双方に感染する細菌は、人獣共通感染症などを 引き起こす可能性があります。同じ病原体が引き起こす疾 病であっても、人と動物ではその症状が異なることがありま す。この研究室では、これらの細菌が、どのようなしくみで人 や動物に感染し、病気を引き起こすのかを研究しています。

ゼミ/卒業研究の紹介

研究室に分属した学生は、病原体の運び役であるマダニの捕獲調査に参加します。白い旗を使って、草むらに潜んで動物を待ち構えているマダニをとらえます(写真)。捕獲したマダニの種類や数を調べることは、マダニ媒介性の感染症のリスクを評価するのに非常に重要です。また、それらのマダニがどのような病原体を保有しているのか、その病原体がどのように人や動物に病気を起こすのか、これらのことを明らかにしていくための最初の一歩でもあります。

プロフィール

子供のころから図鑑を見るのが大好きで、いろいろな生き物を捕まえてきては、名前を調べていました。三つ子の魂百までか?いまも虫取り網の代わりに白い旗をもって、野山を駆け回っています。

高校生へのメッセージ

いろんなことに興味をもって、挑戦してみてください。思ってもみなかったところに、研究の扉が開くかもしれません。