棚橋 靖行

TANAHASHI YASUYUKI
生命科学部 先端生命科学科 准教授
学位
博士(獣医学)
専門分野
獣医薬理学

研究テーマ

平滑筋の収縮調節メカニズムの解明

高校生に向けた研究内容の紹介

平滑筋は消化管や膀胱などの臓器を構成し、それら臓器の運動を担っています。平滑筋の収縮は、様々な神経伝達物質やホルモンによりたくみに制御されており、その制御機構についてはいまだに不明な点が多く残されています。平滑筋の機能異常は、過敏性腸症候群や過活動膀胱などの病気につながります。異常(病気)を知るためには、正常(健康)を知らなければなりません。私達は、消化管や膀胱をはじめとする平滑筋の収縮調節メカニズムの全容解明を目指して研究しています。

ゼミナール/研究室のテーマ

平滑筋の収縮調節メカニズムの解明

私たちの研究室は薬理学研究室です。薬理学には様々な分野がありますが、私たちは、「”くすり”を駆使して、未知の生命現象を解き明かす」という側面から薬理学を探求しています。私たちの研究室では、”くすり”に加えて、”遺伝子改変マウス”などを合わせて用いることで、「消化管」や「膀胱」をはじめとする平滑筋で構成される臓器の機能がどのように調節されているのかを明らかにしようとしています

ゼミ/卒業研究の紹介

特別研究では、平滑筋の収縮調節メカニズムという生命現象の謎に、学生さん自身の手で挑んでもらいます。実験はいつも成功するわけではなく、どちらかというと失敗の連続です。しかし、それを克服して、新たな事実を明らかにしたときには、かけがえのない感動が得られます。仮説を立て実験を計画・遂行する、結果を解析して考察する、それらを論文にまとめる。これら一連の研究活動を通して、専門的知識やスキルだけでなく、社会人として活躍するための総合的な人間力が養われます。

研究室は研究のための設備が充実。

腸の正常な運動を解明することで 新たな治療法の確立を目指す

緊張するとおなかが痛くなる、という人はいませんか?それは、過敏性腸症候群という病気かもしれません。この病気では、精神的ストレスなどにより、腸の運動がおかしくなり、下痢や便秘、腹痛などの症状が引き起こされます。しかし、なぜストレスが腸の異常を引き起こすのか、その原因は明らかにされていません。これを明らかにするためには、正常(健康)な腸の状態を理解することが必要不可欠です。多くの神経細胞が存在することから「第二の脳」とも呼ばれる腸。その運動は複雑に調節されており、そのメカニズムを解明することが私の研究テーマの一つです。将来的に我々の研究は、異常(病気)の理解に必ずつながり、病気の原因解明や治療薬の開発などに必要な情報源になると考えています。

プロフィール

生まれも育ちも愛知県名古屋市という生粋の名古屋人です。そのため私の講義では名古屋弁が飛び交います。私は岐阜大学・農学部・獣医学科を卒業し、その後、同大学大学院に進学し、「腸管の運動調節メカニズム」に関する研究に取りくみました。また、大学院在学中には動物病院にも勤務し、実際に犬・猫の診療に携わりました。今では臨床の現場に立つことはありませんが、動物病院における経験は色々な場面で私の役に立っています。

高校生へのメッセージ

受験する大学や学部・学科を決める際には、選択肢が多くて困ってしまうかもしれません。そんなときは、ちょっとした興味でよいのでそれを足掛かりにして、自分が何を大学で学びたいのか、じっくり考えてみましょう。大学のオープンキャンパスにもぜひ参加してみてください。皆さんの興味を刺激するようなことがきっと見つかるはずです。目標が定まれば、それに向かって自然と体が突き動かされます。目標に向かって突き進む、そんな皆さんが入学されるのを待っています!