武田 洋幸

TAKEDA HIROYUKI
生命科学部 先端生命科学科 教授
学位
博士(理学)
専門分野
発生生物学、発生遺伝学

研究テーマ

脊椎動物の普遍的発生原理を探る

高校生に向けた研究内容の紹介

私たちは、小型魚類(ゼブラフィッシュ Danio rerio と メダカ Oryzias latipes)を用いて脊椎動物の初期発生過程における体軸形成および器官形成の機構を研究しています。小型魚類は多数の突然変異体が存在し、遺伝子導入や胚操作が容易であるなど、発生遺伝学、実験発生学に適したモデル脊椎動物です。現在注目している現象は、左右軸形成、体節の分化、耳石の形成などです。並行して、我々は脊椎動物のゲノム進化の研究も行っています。

ゼミナール/研究室のテーマ

小型魚類から探る動物のからだづくりのしくみ

小型魚類(ゼブラフィッシュ、メダカ)を用いて、一つ受精卵から、かたちやからだができるしくみを遺伝子のレベルで探る基礎研究を行っています(発生生物学)。小型魚類は胚が透明なので、最新のライブイメージング技術を適応すると、生きたまま細胞一つ一つの動きを追跡・操作することができます。このような研究からヒトの遺伝病の原因を突き止めることもできます。

ゼミ/卒業研究の紹介

武田研の特長は、自分の興味に基づいた基礎研究を自由にどこまでも進めていけるところです。武田研では、発生過程の美しさを実際に目で見て感じ取り、いろいろな疑問をもって仮説を立て、実験でその仮説を検証し、また新しい疑問が生まれ、その繰り返しで研究が進むという、基礎研究の真髄を存分に味わうことができます。その代わり、高い研究のクオリティが求められます。最初は大変かもしれませんが、助け合って楽しく研究室生活をおくれます。

プロフィール

新潟県新潟市出身(1958年生)。1982年東京大学理学部卒業、1987年理学博士(東京大学)。名古屋大学理学部助教授、国立遺伝学研究所教授を経て2001年から2023年まで東京大学大学院理学系研究科教授。2023年4月より現職。週末はテニスに夢中。
1991年に日本で初めてゼブラフィッシュを用いた実験を始めました。最初に観察したゼブラフィッシュ胚の美しさに魅せられ、以来30年以上の付き合いとなりました。2000年にはメダカもゲノム解析のモデル生物として導入しました。

高校生へのメッセージ

自然の摂理は美しいです。謙虚な気持ちで向き合えば新しい発見があります。生命はまだまだ謎がいっぱい。一緒に挑戦してみませんか。