― ホテル業界の過去・現在・未来を展望する ―
2026年10月28日(水)、文化学部「旅行産業論」に、株式会社ホテルオークラ東京取締役社長の髙栁 健二氏をゲスト講師として迎え、特別講義を実施しました。
ホテル業界の変遷から未来を考える
「旅行産業論」は、旅行・観光産業の現状や課題、将来展望について、企業経営や社会的意義の観点から実践的に学ぶ授業です。第5回となる今回は、文化学部文化観光学科を中心に約200人の学生が受講しました。
髙栁氏は、ホテル業界の発展とホテルオークラの歩みを振り返りながら、業界の現在と今後の成長課題について講義しました。訪日旅行需要の拡大や、ホテルの所有と運営の分離、機能分化、ブランドのグローバル展開を取り上げ、ホテルビジネスの構造がどのように変化してきたかを解説しました。
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講義を行う髙栁氏
ホテルオークラの成長とブランド価値
ホテルオークラの歩みについて、1962年の東京での開業から、国内外への展開、オークラニッコーグループの誕生、2019年の「The Okura Tokyo」開業までを紹介しました。歴史を受け継ぎながら、時代や市場の変化に対応してきた成長の過程が示され、「The Okura Tokyo」の日本の伝統や美意識を生かしたヘリテージウイングと、現代的な洗練を備えたプレステージタワーという二つの特色と、客室だけでなく、レストラン、宴会場、フィットネス・スパなどを通じて、多様な滞在目的に応えるホテルの機能とサービスを説明しました。
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講義を聴く学生の様子
都市間競争と持続可能な観光への課題
今後の成長課題として、観光都市の魅力、訪日客数、ホテル客室数、高級ホテルの集積など、複数の視点から都市間競争を捉えました。また、アムステルダムと京都の事例を取り上げ、観光客の増加と地域の暮らしとの共生について説明しました。アムステルダムの宿泊税やホテル新設規制を例に、観光政策がホテル経営や旅行需要に及ぼす影響にも触れました。
コスト上昇への対応と未来を担う人財の育成
経営面では、コスト上昇への対応として、既存の取引先との良好な関係の維持と新たな調達先の開拓、調達を担う専門人財の育成、エネルギー使用量の増加を抑えるための社員教育などを紹介、採用後の人財マネジメント能力を高めることも、今後の課題として挙げました。
国際的な感覚を育てる取り組みとして、国内・海外のグループホテルへの派遣や海外ホテルからの受け入れ、海外出張の機会拡大を取り上げ、グループの展開を支える人財の供給源となる「マザーホテル」の役割に触れ、現場での経験を通じた能力開発の重要性が示されました。
学生の感想
- 施設の規模だけでなく、経営の工夫や競争力が成長につながることを学んだ。
- 日本の伝統美と現代的な設備を融合させた空間づくりが印象に残った。
- 観光の発展には、地域住民の暮らしや文化を守る視点が欠かせないことを実感した。
- 海外派遣を通じた人財育成に強く魅力を感じた。自分も海外で通用する力を身につけたいと思う。実際にオークラに泊まってみたくなった。
- 楽しい観光体験の裏に、良いサービスを届けようと工夫や努力を重ねる人々がいることを強く実感し、その姿勢に尊敬の念が湧いた。
髙栁氏のコメント
このたびは、京都産業大学文化学部「旅行産業論」に特別講師としてお招きいただきありがとうございました。日本を代表する観光都市・京都で観光を学んでいらっしゃる皆さんと、ホテルオークラのこれまでの歩みや現状、そして今後の課題を共有できたことに感謝申しあげます。学生の皆様には、観光という目線でみたさまざまな課題が、皆さんの周りにも非常に身近なところにあることを感じていただけたでしょうか。また、ホテルに対しては、ユーザーとしての知識を拡げていただくと同時に、その空間を作り出している側の我々の考えていることにも理解を深めていただけたら幸いです。ぜひ、東京にお越しの際には、The Okura Tokyoに足を運んでいただき、ロビーチェアに腰をおろして、その空間にいるお客様や我々を観察してください。それも今の東京を観る一つの観光素材かもしれません。皆さんのお越しをお待ちしています。
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髙栁氏と近藤学部長、髙﨑教授
開催概要
| 科目名 | 旅行産業論(第5回) |
| 日時 | 2026年10月28日(水)15:00~16:30 |
| 会場 | 京都産業大学 |
| 講師 | 株式会社ホテルオークラ東京代表取締役社長総支配人 髙栁 健二氏 |
| 担当 | 文化学部 教授 髙﨑 邦子 |