2026.10.23

大学院進学のリアルと準備のステップ―本学部卒業生が語る研究・キャリア・受験対策

2026年10月9日(金)、スチューデントコモンズにおいて、本学部の卒業生で現在は神戸大学大学院国際協力研究科修士課程2年に在籍する奥村力斗氏をお迎えし、大学院進学希望者を対象とした講演会を開催しました。

(学生ライター 国際関係学部3年次 竹内颯弥)

奥村氏は2024年に本学部を卒業後、現在は国際機関の正統性をテーマに研究活動を行われています。今回の講演会では、奥村氏によるプレゼンテーションに続いて学生との質疑応答が行われ、参加した多くの学生が大学院進学という選択肢やその具体的な準備プロセスについて理解を深めました。

大学院の名盤と奥村氏 【写真提供:奥村力斗氏】

大学院進学という選択肢と「志望校・教授」の選び方

奥村氏が大学院進学を目指された大きなきっかけは、本学での学びの中にあったと振り返ります。多様な分野を横断的に学べる国際関係論の面白さに触れ、さらに探求を深めたいと感じたそうです。周囲の多くの学生が就職活動へ向かう中で「圧倒的少数派」となる不安を抱えつつも、最終的には自らの関心や「挑戦してみたい」という思いを優先されたと語られました。

進学先の選定に向けた具体策として、奥村氏はまず「自身の興味のある研究分野を確立し、指導を仰ぎたい教員を探すこと」を第一ステップとして挙げられました。その上で、関西圏で国際関係論を学べる大学院を中心に志望校を絞り込んでいかれたそうです。

次の段階として強調されたのが、各大学院の入試要項の早期確認です。大学院ごとに入試形式や日程、課される試験内容が大きく異なるため、それぞれの実施時期に応じた計画的なスケジュール管理が不可欠であると助言されました。さらに、志望する教員へ事前に電子メールなどで連絡を取り、可能であれば直接研究室を訪問して自身の研究関心とミスマッチがないか確認しておくことが、進学後のミスマッチを防ぐうえで極めて有効であると付け加えられました。

プレゼンテーションの様子

【受験対策】合格を引き寄せる研究計画書と学びの活かし方

志望校や指導教員の選定と並行して進める受験対策において、最も重要かつ入念な準備を要するのが「研究計画書」の作成であるといいます。研究計画書とは、大学院で「何を、なぜ、どのように研究するのか」を論理的に提示する書類です。仮説の構築やリサーチクエスチョンの設定といった学術的な組み立てが求められるため、奥村氏はゼミ担当教員と何度も推敲と添削を重ね、文書の完成度を高めていかれた経験を明かされました。

また、筆記試験や面接で問われる専門知識に関しては、本学の「基礎演習Ⅰ・Ⅱ」や「発展演習Ⅰ・Ⅱ」で蓄積した学びがそのまま大きな強みになったと言及がありました。日々の授業で学問的基礎を固めておくことこそが、院試突破への一番の近道であると示されました。

【学びの実態】学部との違い―授業の密度と研究スタイル

進学後の大学院生活について、奥村氏は学部時代との「学びの密度の違い」に触れられました。同氏が所属する神戸大学大学院国際協力研究科では、修了に必要な単位数はゼミを除き22単位と設定されています。学部での日常的な履修環境と比べると一見少なく思われる数字ですが、実際の1コマあたりの準備量は非常に膨大であると説明されました。例えば、1回の授業のために15〜20ページにおよぶ英語文献の読解やプレゼン準備に数日を要することもあり、極めて濃密な学習が求められるとのことです。

さらに、留学生と合同で開講される英語ゼミをはじめ、複数のゼミに所属して多角的な知見を深める学生が多い現状や、協定校への留学制度の活用など、学際的かつ国際的な研究環境の実態についても紹介がなされました。

【キャリア】修了後の進路と就職活動の両立

修士課程修了後のキャリア形成や生活面に関しても、現実的な視点からアドバイスが送られました。2年間という限られた在学期間の中で、多くの大学院生は入学直後から研究と並行して就職活動に取り組むことになります。しかし、日々の研究や授業準備との両立は容易ではないため、奥村氏は入学前の段階から卒業後の進路イメージを明確にしておく重要性を強調されました。状況によっては、研究と就活の双方に集中するために休学を選択する学生もいるなど、柔軟な期間設定の事例も示されました。

また、大学院修了後の就職活動においては、学士課程修了者と比較して不利になることはなく、高度な専門性を活かしてより幅広い職種や分野へと選択肢を広げる学生が多い点についても言及されました。

学生からの質問を受ける奥村氏

おわりに

講演の締めくくりとして、奥村氏は「大学院進学という選択肢を過剰に難しく捉える必要はなく、関心があるならばぜひ恐れずに挑戦してほしい」「大学生である今学んでいることを最大限に吸収することが、将来の大きな糧になる」と、後輩たちへ温かいエールを送られました。

参加した学生からは、「受験準備をいつ始めるべきか、どんな入試が行われるのか、そして大学院進学後の生活がどのようなものであるかなど、普段知ることのできない貴重なお話を聞けてとても参考になった」といった声が寄せられました。

今回の講演会を通し、本学部での日々の授業や演習の積み重ねこそが、大学院進学をはじめとするその後のキャリアを支える強固な土台となることを深く再認識しました。周囲とは異なる道を進むことに不安を抱えながらも、自ら思考し一歩を踏み出してアクションを起こされてきた奥村氏のお姿は、進路に悩む後輩の背中を強く押すものでした。私自身もより一層、普段の講義や自身の関心・疑問に対して真摯に向き合い、選択した道に対して主体的に行動を起こしていきたいと感じました。

講演会の様子