2026.10.21

歴史・美・暮らしから読み解く「奈良の魅力」 ―文化学部の中野ゼミが奈良でフィールドワークを実施―

文化学部 中野 宏幸 教授の「観光文化演習ⅠB(3年次)」では、10月17日、奈良市内でフィールドワークを実施しました。今回のテーマは、「歴史・美・暮らしから奈良を読み解く」こと。奈良まほろばソムリエの沖田 拓司氏のご案内のもと、東大寺、氷室神社、奈良ホテル、ならまちを巡り、歴史文化や景観、人々の暮らしと観光との関わりについて学びました。

奈良ホテル「菊の間」でアフタヌーンティーを体験

東大寺では、現存する木造建築として世界最大を誇る大仏殿、十一面観音を本尊とする二月堂を訪問しました。二月堂では、1200年以上の修二会の歴史やその意義に触れ、信仰や文化が地域社会とともに受け継がれてきた背景について学びました。
また、氷の聖地として知られる氷室神社を訪れました。氷室神社は、奈良時代に平城宮へ氷が献上された歴史に由来し、毎年5月には献氷祭が行われています。奈良のかき氷文化とも関わりが深く、歴史や文化を活かした地域の魅力づくりについて理解を深める機会となりました。

若草山にて

1909年(明治42年)に創業した奈良ホテルは、建築家・辰野金吾氏が設計した歴史あるホテルです。「関西の迎賓館」として、奈良の伝統や文化を受け継ぎながら、多くの国内外の賓客を迎えてきました。訪問前日の10月16日には、国の文化審議会が奈良ホテル本館を重要文化財(建造物)に指定するよう文部科学大臣に答申しています。ホテル単独の建物として現在も営業を続ける建造物が重要文化財に指定されるのは全国で初めてとなります。

館内では、宴会食堂部担当課長・ソムリエの池田 佳代氏より説明をいただきました。そして、アインシュタインやヘレン・ケラー、チャールズ・チャップリンやオードリー・ヘップバーンなど国内外の方々が宿泊したホテルの歴史とあわせ、和風建築と洋風ホテル文化が融合した空間美やおもてなしの精神を学びました。また、ホテルの仕事や大学での学びに関するアドバイスをいただくとともに、「菊の間」にてアフタヌーンティーを体験し、歴史と伝統に育まれた奈良ホテルならではの趣に触れました。

氷室神社にて

世界遺産である「元興寺」の旧境内地に広がるならまちでは、江戸時代から明治時代にかけての町家や路地が残る歴史的な街並みを巡りました。町家の面影を残した古民家を活用したカフェや工芸店が点在する風情ある街並みに接しながら、地域に受け継がれてきた暮らしや文化、そして歴史と現代の生活が調和するならまちの魅力を実感しました。

今回のフィールドワークでは、東大寺に受け継がれる歴史と信仰、奈良ホテルにみる和洋折衷の美学、そしてならまちに息づく暮らしの文化を通して、奈良の多様な魅力に触れました。フィールドワークで得られた気付きを生かし、観光を通じた地域の価値創造や国際交流のあり方への理解を深めてほしいと思います。