ソーシャルビジネスで社会課題に挑む―taliki・原田岳さんを迎え、第1回「Ignition Lab. イノベーターズトーク」を開催
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京都産業大学と一般社団法人京都知恵産業創造の森が共催し、京都経済センター内「KOIN」で開催する講演・交流イベント。それが、「Ignition Lab. イノベーターズトーク」です。テーマは、「Ignition―挑戦心に火をともそう。世の中の温度を1度上げていこう。」です。
「明日、こんな企画があると聞いて、飛び込んできました」という学生。会社を飛び出し、新たな事業を始めた参加者。京都産業大学の学生をはじめ、さまざまな背景を持つ約50人が集まり、第1回のトークが始まりました。
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「地域の価値とは何か」
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今回のイノベーターは、社会起業家の事業開発や成長を支援する株式会社taliki取締役の原田岳さんです。講演は、すぐに事業の方法論へは向かいませんでした。
最初に示されたのは、原田さんが歩みの中でたどり着いた問いでした。
「地域の価値とは何か」
経済成長や利便性だけでは測れない価値が、地域にはあります。分断された社会の機能を、人と人との関係の中でもう一度結び直せないか。誰もがそこに居続けられる社会をつくれないか。
福岡県で育ち、東京のスタートアップの世界や海外を経験した原田さん。その後は、若者が挑戦できるシェアハウスの立ち上げにも携わりました。目の前の問題への対処にとどまらず、それを生み出す仕組みそのものに働きかけたい。その思いが、原田さんをtalikiへ導きました。
talikiは、社会課題の解決を目指す起業家に対し、事業開発、投資、企業との協業、販路の開拓などを支援しています。起業家だけでなく、大学、企業、金融機関などを結び、社会課題に挑む人が育つ環境そのものをつくろうとしています。
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会場から一つの質問が投げかけられました。
「京都には、チャンスがありますか?」
原田さんは間を置かず、力強く答えました。
「めちゃめちゃ、ある。」
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大学、行政、金融機関、企業、起業家が近い距離で交わる京都。そのつながりの中に、社会課題をビジネスへ変えるチャンスがあります。
では、地域へ動く政策や資金を、どう事業につなげるのか。講演は第2部へ進みました。
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社会的意義を、続くビジネスに
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いま、国から地域へ資金が動いています。その流れの先には、解決すべき課題と新たな需要があります。社会的意義を、地域で価値と収益を生む事業へ変えていく。その視点が必要です。
原田さんは、社会課題を「全体最適の歪みであり、自然には解決しないもの」と言います。多くの人にとって便利な制度や規格も、その外側に取り残される人を生みます。
そして、社会課題は、その意義を語るだけでは解決しません。
誰が困っているのか。なぜ解決されないのか。解決すれば、誰にどのような価値が生まれるのか。
誰が対価を支払うのか。サービスを必要とする人が、その費用を負担できるとは限りません。だからこそ、直接の受益者だけでなく、課題の解決によって価値を得る企業、行政、施設などにも目を向けます。受益者と支払者をつなぎ、資金が回り続ける仕組みをつくる。マネタイズ、つまり事業として収益を生み出す方法がなければ、事業は続かず、社会も変わりません。そこに、ソーシャルビジネスの本質があります。
そのうえで、原田さんは問いかけます。
「海外にいけるのか。そのビジネスは。」
社会的意義だけでは、事業は続きません。国内だけで十分な市場が得られないなら、海外も視野に入れる。より広い市場でマネタイズし、稼ぐ力をつけなければなりません。
一方、ビジネスでは届かない領域もあります。マネタイズできないからといって退けば、社会は変わりません。非営利という手段を選び、課題へ踏み込む。原田さんが示したのは、「攻めの非営利」という選択肢でした。
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圧倒的アクションを起こそう
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原田さんが最後に強調したのは、ビジネスに必要な「圧倒的アクション」でした。
ただ動くだけではありません。その先に、誰のどのような状態を実現するのか。「ゴール状態の定義が重要」だと語ります。
そして、自分のテーマを探している段階の人は、すべてを自分一人で始める必要もありません。
「まずは誰かについていくこともできる。のっかっていこう。」
圧倒的に動くこと。目指す未来を定めること。そして、すでに動いている誰かと始めること。社会課題をビジネスで解決する一歩は、そこから始まります。