イタリア シエナ外国人大学に留学した学生から体験記が届きました。
たくさんの出会いに支えられて
ヨーロッパ言語学科 イタリア語専攻 3年次生 橋本 佳歩
私は、2年次生の秋から3年次生の春まで約9か月間、イタリアのシエナ外国人大学に留学しました。高校生の時から言語に興味があり、その上新しい人と関わるのが大好きな私にとって留学はずっと憧れでした。最初は不安でしたが、「迷ったら挑戦してみる!」をモットーに留学を決意しました。
旅はトラブルで始まり…
出発前の手続きは全て順調に進み、日本を出発したのもつかの間、乗り換えのミュンヘンからフィレンツェへの便が欠航になりました。航空会社から提案されたのは2日後の夜の便で、クラス分けテストに間に合わない日程でした。そこで大学の国際交流センターの方に連絡し、別のイタリアの空港に行くのはどうかと助言をいただきました。その後空港の窓口に行って便を変更してもらうことになりました。到着日の午後にヴェネツィアへの便を予約し、旅行サイトでホテルを予約しました。ヴェネツィアからシエナへの移動は、国際交流センターの方が調べてくださったルートで行きました。道中、たくさんのイタリア人が大きなスーツケースを抱えた私たちに親切に声をかけてくれて、荷物を運ぶのを手伝ってくれました。留学初日からイタリア人の温かさを感じました。
授業は試練の連続
授業は全てイタリア語で行われ、クラスで意見を出し合って進める学生参加型のものでした。しかし、最初の数か月は授業でイタリア人の先生がお話されていることが十分に理解できず、約5時間の授業で一度もクラスで発言することなく終わる日もありました。留学前に1年半イタリア語を勉強したにも関わらず、自分の考えがうまく言葉に出来なかったとき、イタリア語を始めたばかりのヨーロッパ圏の学生たちが私よりもはるかに上手にイタリア語を話していたときなど、何度も自信を無くして落ち込む日もありました。それでも、授業後に私が納得するまで説明してくれるイタリア人の友達やクラスメイト、理解できていない私に気付いて表現を変えて説明してくれる先生に恵まれ、前向きに授業を受けられるようになりました。「言語も文化も全然違う遠いアジアの国から来て、ここで暮らしながら言語を学ぼうとするあなたたちは素晴らしい」と先生が言ってくださったことがとても印象的で、今でも心に残っています。
学びの場を広げて
授業以外にも、日本語を勉強しているイタリア人との交流会や、大学でのイベントに積極的に参加しました。アジアの言語を専攻するイタリア人学生が主催となって行われた旧正月のイベントでは、イタリア人とペアになって出し物の審査員を務めました。評価基準やグループでの業務連絡がすべてイタリア語で書かれていたので大変でしたが、とても良い経験になりました。他にも、日本語専攻の大学院生の授業に呼んでいただき、日本語でのプレゼンの評価やイタリア語の映画を日本語に翻訳する映画翻訳のお手伝いもさせていただきました。映画翻訳では、文章の正確さだけでなく、字幕が表示される限られた時間の中でどんな表現を使えば伝わりやすく読みやすいのかを考える必要があり、イタリア人とたくさん意見を出し合いながら進めました。
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私を支えてくれたつながり
イタリア人は友達をとても大切にして、授業がないのに友達に会うために大学に来たりします。私たちの友達も、授業の休憩時間、授業後、休日も私たちに会いに来てくれました。私たちが帰宅するタイミングには必ず誰かが徒歩30分もかかる寮まで見送ってくれ、大学の外でも中でも常に誰かといる生活でした。教室や街中で私たちの姿を見た先生には、「日本人は人気者だ」と噂されていました。慣れないイタリア生活が快適に過ごせたのも、たくさんの思い出深い経験ができたのも、すべて彼らのおかげです。
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帰国直前の忘れられない経験
ドイツから日本に帰国するための飛行機に乗っているとき、隣の方が別の席のお友達とイタリア語で話していることに気づきました。すでにイタリアが恋しかったので、思い切って隣のイタリア人に話しかけ、長いフライトの中で何時間も話すほど仲良くなりました。誕生日にずっと行きたかった日本で過ごすことや、自分の街やお仕事についてたくさん話してくれ、イタリアから持ってきたお菓子や手作りのパニーノを分けてくれました。また、英語が苦手で、日本人のCAさんとのコミュニケーションや入国に必要な書類を書くのに困っていました。そこで、私が日本語をイタリア語に訳して伝えることにしました。飛行機の中で翻訳機が使えないため、自分の知っている単語だけで伝える必要があり、とても大変でした。それでも、最後に「あなたと出会えてよかった。」と言ってもらうことができました。自分の身につけた語学力を誰かのために使うことができた、留学を締めくくる素敵な経験になりました。

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初めての海外生活は想像以上に大変で、何度も日本が恋しくなることがありました。そんな私を支えてくれた友人たちとの出会いや、イタリアでしかできない多くの経験を通して、自分自身の成長を実感することができました。イタリアでの9か月間の経験をこれからの人生に活かしていきたいと思います。