
10月6日、国際関係学部開講科目「グローバル・ガバナンス論Ⅱ」(担当:井口正彦教授)において、吉馴真汐氏(アイ・シー・ネット株式会社 開発コンサルティング事業第2部)をゲスト講師としてお招きし、特別講義「国際協力の理想と現実」を実施しました。
吉馴氏は、本学国際関係学部の卒業生であり、卒業後は英国のLondon School of Economics and Political Science(LSE)大学院に進学し、開発マネジメントを専門に学ばれました。現在は開発コンサルタントとして、主にJICA事業に携わりながら、バングラデシュにおける公共投資管理改革支援プロジェクトなどに従事されています。
講義ではまず、大学時代から海外大学院進学に至るまでのキャリア形成について紹介されました。自身の進路選択における葛藤や挑戦、海外大学院での学び、そして開発コンサルタントとして働くことを決断した経緯について語られ、学生たちは国際協力分野で活躍する卒業生のリアルなキャリア形成のプロセスに耳を傾けました。
続いて、現在従事しているバングラデシュでのプロジェクトを題材に、現地の政治・経済情勢や日本の政府開発援助(ODA)の役割、ガバナンス強化の重要性について解説されました。学生たちは、国際協力が単なる資金援助ではなく、制度構築や行政能力向上を通じて持続的な発展を支える取り組みであることを学びました。
また、「国際協力の理想と現実」をテーマに、開発支援の現場で直面する課題や葛藤についても率直な話がありました。途上国支援の理念と実務とのギャップ、受益者との距離感、ODAを取り巻く環境の変化など、教科書だけでは学ぶことのできない現場の実情が共有され、学生たちは国際協力の複雑さと奥深さについて理解を深めました。
学生からは、「国際開発は単に途上国を支援するだけではなく、その国の人々が自ら発展していける環境を整えるために重要であると感じた」「理想だけでなく、支援の効果や相手国との温度差など、現場ならではの課題について知ることができた」「国際開発の仕事を具体的なキャリアとして考えるきっかけになった」などの感想が寄せられました。
今回の講義は、国際協力や国際開発に関心を持つ学生にとって、現場で活躍する卒業生から直接話を聞く貴重な機会となりました。参加した学生たちは、国際社会が抱える課題やその解決に向けた取り組みについて理解を深めるとともに、自らの将来の進路について考える契機を得ることができました。

授業後、学生からの質問を受ける吉馴さん