8月2日から8月16日までの15日間、「国際開発キャリア開発リサーチ(CDR)-C」のプログラムとして、株式会社ナベル(本社:京都)のマレーシア現地法人であるナベルアジアにて、就業体験をしました。本科目では、事前学習・現地での研修・事後学習を通して、海外でのビジネスの現場に触れ、国際ビジネスについて実践的に学ぶことを目的としています。
(国際関係学部3年次 高橋 怜生・三上 いずみ)
現地での実習に向けた事前学習として、マレーシア投資開発庁(MIDA)大阪事務所への訪問や、ナベル京都本社での研修を行いました。また、大学の授業では、マレーシアの政治・経済や文化などの基礎知識に加え、海外渡航時のリスク管理やビジネスマナーについても学びました。こうした事前学習を通して、マレーシアという国について理解を深めるとともに、現地での実習に必要な心構えや知識を身につけました。実際に現地を訪れる前に、マレーシアのビジネス環境や文化的背景について学んだことで、現地での経験をより深く理解するための準備をすることができました。

マレーシアのナベルアジアでの研修の1週目は、工場での機械の組み立て作業や、サプライヤーへの訪問を行いました。実際に自分たちで組み立て作業を体験し、その後に機械の仕組みや特徴について説明を受けることで、普段は見ることのできない機械の内部や製造工程について理解を深めることができました。また、実際に機械が稼働している様子を見ることで、製品がどのように使用されているのかを具体的にイメージすることができました。
サプライヤー訪問では、ナベルの機械に使用される部品が実際に製造されている現場を見学しました。部品がどのような工程を経て作られ、最終的な製品につながっていくのかを知ることで、製造業におけるサプライヤーとのつながり(サプライチェーン)の重要性を実感しました。また、部品やその部品をつくる機械についてひとつずつ説明してくださっただけでなく、私たちが質問したことに対しても丁寧にわかりやすく教えてくださりました。このように、1週目は、製品がどのように作られ、さまざまな企業との関わりの中で成り立っているのかを知る良い機会となりました。


第一週目の週末には、JETRO Kuala Lumpur事務所を訪問し、マレーシアの政治・経済の概要や、現地に進出している日本企業の動向について説明を受けました。特に、マレーシアの経済発展やビジネス環境、日本企業を取り巻く現状について知ることで、それまでの研修で得た経験を、マレーシアの経済や社会というより大きな視点から捉えることができました。また、事前に用意していた質問やその場で気になったことも一つ一つ丁寧に答えていただき、現地で実際に見聞きしたことについて理解を深めることができました。ナベルアジアでの研修とJETROでの学びを結びつけることで、マレーシアで日本企業が活動する背景について考える貴重な機会となりました。
その後、クアラルンプール市内の日本食や日系企業の現地での展開について調査を行いました。実際に店舗や商品を見て回ることで、日本食がマレーシアの文化や消費者のニーズに合わせてどのようにローカライズされ、受け入れられているのかを知ることができました。
また、マラッカでのフィールドリサーチも行いました。マラッカでは、市内を歩いて観察しながら、鄭和博物館、ババ・ニョニャ・ヘリテージ、マラッカ海峡モスクなどを訪れました。鄭和博物館では、マラッカが古くから海上交易において重要な位置を占めていたことや、中国の航海家・鄭和が交易や人々の交流に果たした役割について学びました。また、ババ・ニョニャ・ヘリテージでは、中国文化とマレー文化が融合して形成された独自の文化に触れました。今回のフィールドリサーチを通して、マラッカの多文化性は、単に異なる民族や宗教が共存しているというだけではなく、古くからの国際交易や人々の移動、交流によって形成されてきたものであることを理解しました。異なる文化が交流することで、新たな文化が生まれてきたことが特に印象に残っています。実際に街を歩き、歴史や文化に触れながら学ぶことで、マレーシアという国をより身近に感じることができた、非常に充実した一日となりました。



2週目は、ナベルアジアの製品のMEX2とCANOPUS18000について、現地スタッフや社長の前で英語でプレゼンテーションを行いました。技術資料を読み込み、製品の特徴や仕組みを自分たちの言葉で整理して発表することで、技術的な説明力だけでなく、英語で人に伝えることへの自信も身につきました。また、営業同行ではマラッカの現地農場を訪問し、実際に海外の鶏卵農場でナベルの機械が使われ、食の安全を支えている現場を見ることができました。実習終了後には、スタッフの皆さんが送別会を開いてくださりました。仕事を通じて多くのことを学べただけでなく、現地の方々の温かさにも触れることができました。




研修後の週末にはクアラルンプールを観光してお土産を購入したほか、1年生の冬に大学の海外フィールドリサーチで知り合った現地の友人達とも再会しました。一緒に食事をしたり、街をドライブしたりする中で交流を深め、帰国時にはその友人が空港まで送ってくれました。今回のマレーシア滞在を通して、仕事や学びだけでなく、国や文化が違っても人とのつながりは続いていくことの大切さも実感しました。


帰国後の事後学習では、再びナベル京都本社を訪問し、同社から出された課題についてプレゼンテーションを行いました。履修者2人で協力し、事前学習やマレーシアでの実習を振り返りながら、「東南アジア市場における今後の販売戦略」をテーマに、ナベルの強みや競合他社との違いを分析しました。その上で、TWS(タワー型自動倉庫システム)を活用した既存ラインへの部分導入など、東南アジア市場でのシェア拡大に向けた具体的な戦略を提案しました。発表後には、副社長をはじめ社員の方々から貴重な意見やアドバイスをいただき、実際の企業活動を踏まえた視点から自分たちの提案を見直すことができました。今回の研修を通して多くの学びや貴重な経験を得ることができたのは、ナベルの皆様に温かくご指導いただいたおかげです。2週間にわたり貴重な機会を与えてくださったことに、心より感謝します。

【株式会社ナベルのHP】
https://nabel.co.jp/