2026.09.16

2026年7月 能登半島被災地支援活動 実施報告

京都産業大学は、2024年1月の地震および9月の豪雨により大きな被害を受けた石川県奥能登にて、現地支援活動を行ってきました。7回目となる今回は、7月3日から5日にかけ、学生6人と引率者1人で、コミュニティ形成を支援する活動に取り組みました。

今回の活動では、能登町を拠点に、地域を代表する祭礼「あばれ祭り」への参加や、これまで関わってきた農地の訪問、仮設住宅などで暮らす地域の方との交流、そして奥能登の観光資源を巡る活動を行いました。

実施概要

祭り、つながり、そして地域の魅力に出会った3日間

日程 2026年7月3日(金)~7月5日(日)
活動場所 石川県鳳珠郡能登町
参加者数 6人
活動内容 コミュニティ形成支援
あばれ祭り1 
あばれ祭り2
昨年11月に整備した畑にて
参加学生

地域のお祭りに飛び込む

初日は金沢駅に集合し、里山海道を通って奥能登へ向かいました。
この日は、宇出津で開催された「あばれ祭り」に参加しました。
まず訪れたのは、鳳珠郡能登町宇出津にある「宇出津コミュニティラボ」です。ここは、金沢大学の豊島祐樹先生が運営されており、地域の方々と学生をつなぐ拠点としてさまざまな取り組みを行っておられます。ここを拠点に、祭りに参加させていただきました。
この日は街中に「キリコ」と呼ばれる御神燈が立ち並びます。勇壮な太鼓の音が響き渡り、参加した学生は地域のみなさんと一緒にキリコを担ぎ、宇出津の街を練り歩きました。クライマックスでは、巨大な松明から火の粉が降り注ぐ中、「イヤサカヤッサイ、サカヤッサイ」と力いっぱい掛け声を上げていました。
この日、宇出津では、今までの活動で出会った支援団体の方々、住民の方々と再会し、お互いの今を語り合い、ご縁を確かめ合うこととなりました。
「ボランティア」という言葉からは、誰かを「支援する」活動をイメージするかもしれません。しかし、地域のお祭りに参加し、一緒に汗をかき、声を出し、楽しむことも、地域を知り、人とつながる大切なきっかけになるのです。

これまでの支援の「その後」を訪ねる

2日目は、赤崎地区の耕作放棄地だった畑を訪れました。ここは、2025年11月の現地支援活動で草を刈り、整地に取り組んだ場所です。背丈ほどの草木に覆われていた土地が少しずつ開墾され、作物が植えられている様子を見ることができました。
自分たちが一度関わった場所が、その後も地域の方の手によって少しずつ変化している。
活動を「その日」だけで終わらせず、時間をおいてもう一度訪れることで、地域との関わりが積み重なっていくことを実感できました。

「コミュニティ居酒屋」で地域の方と交流

2日目の午後からは、浄土真宗大谷派奥能登ボランティアセンターが実施している「コミュニティ居酒屋」の運営をサポートしました。コミュニティ居酒屋は、仮設住宅などで避難生活が続く方々が、顔を合わせ、食事をしながら気軽に話すことのできる場です。

今回は、豪雨災害によって集落が孤立するなど、大きな被害を受けた能登町岩井戸地区で開催しました。
学生たちは、タコと白身魚のカルパッチョ、氷見牛コロッケ、鯛めしなど、こだわりの料理を地域の方々に提供しました。この活動では、ただ提供するだけではなく、共に食べながら、語り合う時間を大切にしています。「おいしいですね」「どこから来たの?」といった何気ない会話です。その一方で、会話が進むなかでは、災害が起きた日のことや、それまでとは変わってしまった暮らしについて、お話を聞かせていただく場面もありました。

災害の被害を数字だけで考えるのではなく、一人ひとりのくらしの変化として知ること。そして、支援する/されるという関係を越え、ともに食事をして、笑って、話をすること。そんな時間のなかにこそ、復興や地域とのつながりを支える大切な力があるということを確認することができました。

「被災地」だけではない、奥能登へ

活動の最終日には、奥能登の観光資源を巡りました。災害の爪痕が残る場所だけを訪れるのでなく、観光名所として多くの人たちの心を捉えてきた奥能登の魅力を実際に知る機会を設けました。
これは、奥能登を「被災地」としてだけ見るのではなく、そこにくらす人たちが長い時間をかけて大切にしてきた、誇りある地域として出会うための大切な時間です。
「大変なことがあったから支援に行く」だけはなく、「また行きたい」と思える場所として奥能登を見てほしいと願っています。


同じキリコの重みを感じ、おいしい料理を囲んで地域の方の話に耳を傾け、そして奥能登の魅力を五感で確かめた3日間でした。
今回の活動を通して学生たちは、災害からの復興だけではなく、「人と地域がつながっている」ということの意味について学ぶことができたのではないでしょうか。