2026.08.03

職場のメンタルヘルス対策について学ぶ―法学部専門教育科目「人事・労務の実務」でゲスト講義を実施

2026年6月17日、法学部専門教育科目「人事・労務の実務」において、株式会社島津製作所 人事部健康・安全センターで臨床心理士・公認心理師として勤務するとともに、京都府立医科大学 大学院 医学研究科 精神機能病態学の客員講師も務める馬ノ段 梨乃先生をゲスト講師としてお迎えし、「労働者のメンタルヘルスへの配慮」をテーマに講義を実施しました。
近年、働く人の心の健康への関心が高まっています。本講義では、職場におけるメンタルヘルス対策の重要性や企業に求められる取り組みについてご紹介いただきました。

日本におけるメンタルヘルス対策の発展を学ぶ

講義では、日本のメンタルヘルス対策の歴史や現状について解説がありました。特に、長時間労働や過重な業務負担が社会問題として注目される契機となった電通事件を取り上げながら、企業における労働者の健康管理の重要性について説明が行われました。
さらに、従業員の健康を企業の重要な経営資源と捉える健康経営にも触れ、従業員の心身の健康が企業の生産性向上や持続的な成長につながることが示されました。

DX時代に求められる新たなメンタルヘルス対策

近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、働き方は大きく変化しています。講義では、テレワークの普及によるコミュニケーション不足や孤立感、労働時間管理の課題などについて説明がありました。
また、オンラインカウンセリングや健康管理アプリなどのデジタルヘルステクノロジーサービスを活用した新しいメンタルヘルス支援についても紹介され、技術の進歩によって健康支援の選択肢が広がる一方で、一人ひとりが正しい知識を持ち、自ら健康管理に取り組む重要性が指摘されました。

組織全体で取り組むメンタルヘルス対策

講義では、メンタルヘルス対策は個人の問題ではなく、組織全体で取り組むべき課題であることが強調されました。
働きやすい職場環境の整備や上司・同僚との良好なコミュニケーション、相談しやすい職場風土の形成など、企業にはさまざまな取り組みが求められています。また、従業員自身も健康に関する知識や理解を深める「ヘルスリテラシー」を身に付けることが重要であるとの指摘がありました。

働く人と組織の健康について考える機会に

受講生にとっては、職場のメンタルヘルス対策は単なる福利厚生ではなく、企業経営や労働環境の整備に深く関わる重要な課題であることを理解する機会となりました。また、将来働く立場として、自らの健康を守るために必要な知識や行動についても知ることができました。

法学部では、今後も実務家による講義を通じて、理論と実務を結び付けた学びの機会を提供していきます。