2026.07.16

台湾から見る国際関係

7月7日昼休みに国際関係学部 須藤准教授によるニュース解説ワークショップにて、「台湾から見る国際関係」をテーマに講演いただきました。台湾と中国の関係や、複雑化する国際社会の中で台湾がどういった未来を見据えて行動しているのかについて解説されました。

(学生ライター 国際関係学部2年次 山下真己)

当日の様子

講義冒頭では、台湾の概要について説明されました。台湾は、日本の九州よりやや小さい面積の台湾島とその附属島嶼により構成されています。現在、台湾では「中華民国」という国名が使用されていますが、多くの国々に国家承認をされていないため、国際的な場では「Chinese Taipei」などの呼称が使われています。この背景には、中華人民共和国と中華民国のいずれが正統な中国かという「一つの中国」をめぐる問題があります。

須藤准教授

日中戦争終結後に勃発した国共内戦に勝利した中国共産党が、1949年に中華人民共和国を成立させ、敗北した国民党は台湾へと中華民国政府の拠点を移しました。現在、中国(中華人民共和国)は台湾における中華民国政府を認めていません。また、台湾内でかつては統一を目指す国民党が政権を握っていたものの、現在は独立・現状維持派である民進党が与党となっています。こうした台湾の世論が中国の主張と異なるかたちで変化する中、国際社会でどのように存在感を示していくのかがカギとなります。

終盤では、国際社会で台湾がどのようにして存在感を示そうとしているのかを多方面から説明されました。
国家が影響力を向上させる手段は、旧来の武力衝突のような軍事的領域から経済、情報などより広い領域へと拡大し、安全保障においても重要視されています。台湾は半導体分野において世界でも有数の技術を有しており、多くの国が台湾製半導体に依存しています。この技術力を有していることで影響力を強め、台湾の安全を守ろうという狙いがあります。政治領域では、近年アジアで初めて同性婚を合法化するなど、人権を重視した政策を多く打ち出しています。こうした背景には、民主主義を取る台湾が一党独裁の中国との違いを強調する狙いがあります。このように台湾は、多様な手段を用いて国際社会での存在感をアピールしています。

質疑応答では、日本でも注目される台湾の問題と、今回の講演で説明された台湾の非軍事的要素を活用する外交に関して学生から質問が多く寄せられました。


今回の講演を通じて、台湾の置かれた現状と、台湾の内政や対外政策がどのようにして国際社会に影響を与えるのかを学びました。また、台湾が安全保障のために非軍事的な経済や情報といった幅広い領域をも活用している点が印象的でした。日々複雑化する国際社会の中で、いかにして平和を実現できるかを考える私たちにとって新しい視点を与える貴重な機会となりました。

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