2026.07.08

2017年ノーベル化学賞受賞者 リチャード・ヘンダーソン博士を招へいした国際シンポジウムを開催しました

京都産業大学は、2026年7月2日(木)、2017年ノーベル化学賞受賞者のリチャード・ヘンダーソン博士(MRC Laboratory of Molecular Biology, Cambridge, UK)を招へいし、国際シンポジウム「生命のかたちを読む技術―クライオ電子顕微鏡が拓く生命分子の世界―」を開催しました。 

本シンポジウムでは、生命科学研究の最前線で活躍する国内外の研究者が登壇し、クライオ電子顕微鏡を中心とした構造生物学研究の最新成果や今後の展望について講演を行いました。 

当日は、本学生命科学部およびタンパク質動態研究所の研究者に加え、英国MRC Laboratory of Molecular Biology(MRC-LMB)をはじめとする研究機関の研究者による講演が行われ、参加者にとって生命分子の構造解明を支える最先端技術とその応用について理解を深める機会となりました。

特別講演では、リチャード・ヘンダーソン博士が「Evolution of Structural Biology」をテーマに講演し、構造生物学の発展の歴史やクライオ電子顕微鏡技術が生命科学研究にもたらした革新について紹介しました。
また、講演後には学生との質疑応答・交流セッション(Q&A Mixing with Students)を実施し、学生たちは世界的研究者と直接対話する貴重な機会を得ました。会場では活発な質疑応答が行われ、世代や立場を超えた学術交流の場となりました。 

開催概要

日時
2026年7月2日(木)9:00~12:05
会場
京都産業大学 天地館 T303教室
シンポジウム名
京都産業大学国際シンポジウム
「生命のかたちを読む技術―クライオ電子顕微鏡が拓く生命分子の世界―」
特別講演
Richard Henderson 博士
(MRC Laboratory of Molecular Biology, Cambridge, UK)
2017年ノーベル化学賞受賞
講演タイトル
「Evolution of Structural Biology」
講演内容の概要
生物を構成する生体分子の働きをその構造に基づいて理解しようとする「構造生物学」は,今日の生命科学研究において最も重要な分野となっており,創薬などへの応用も盛んになってきています。この分野に長年関わり,研究を進めてきたHenderson博士自身の体験を含めて,WatsonとCrickによるDNA二重らせん構造の発見(モデル作成による),Paulingによるタンパク質の基本(二次)構造の発見,Perutzらによるタンパク質のX線構造決定の成功などから,核磁気共鳴(NMR),電子線回折,そしてクライオ電子顕微鏡の発展に至る流れについて,さらにはこれからクライオ電子顕微鏡が向かう方向についてもわかりやすく解説していただきました。

主なプログラム

•    遠藤斗志也教授
「Seeing the Invisible: How Cryo-EM Reveals the Molecular Machines for Building Mitochondria」

•    横山謙教授
「Membrane Protein Structures on the Biological Membrane」

•    Nobuhiro Morone氏
「Introduction」

•    Hugh Wilson氏
「How can graphene improve an electron microscope?」

•    Christopher Russo氏
「How Extremely Cold Microscopes Can Allow You to See the Atoms inside Molecules」

•    Richard Henderson博士
「Evolution of Structural Biology」

当日は本学の学生・教職員を中心に、のべ約500人が参加しました。本シンポジウムは、参加者が生命科学研究の最前線に触れるとともに、国際的な研究ネットワークの広がりや学術交流の重要性を実感する機会となりました。京都産業大学は今後も、世界トップレベルの研究者との交流機会を創出し、教育・研究活動のさらなる発展を目指します。