
学部の授業以外にも活躍の場を求めて積極的に取り組む学生を紹介する本企画。
今回は、アイルランドのグリフィスカレッジへの交換留学を終えた、国際関係学部4年次 西坂 蒼衣さんに話を聞きました。
留学中のインタビュー記事についてはこちら
・アイルランドで学ぶ国際関係ーグリフィスカレッジ留学体験談ー
1.なぜ留学先にグリフィスカレッジを選びましたか?
国際関係学部での授業を通して、文化・言語の衝突に興味を持つようになりました。実は、今でこそ英語圏ですが、もともとゲール語を第一言語としていたアイルランドの歴史にもこれに強くつながる背景があります。しかしアイルランドと聞いても、パッとイメージが湧く人はあまりいないと思います。私自身、アイルランドの話を誰かにしても一発で「あーアイルランドね!」と返ってきたことはありません(笑)それだけ日本人からするとイメージのない国だからこそ現地に行かなければ分からないことがたくさんあると考え、実際に自分が内側から見たアイルランドの人々のアイデンティティや価値観を今後の学びに活かしたいという思いから、アイルランドの協定校であるグリフィスカレッジを留学先に選びました。また、グリフィスカレッジは他の協定校のプログラムにはなかなか無い、語学留学と学部留学のハイブリットのプログラムを行っており、前期には英語のクラスで語学力を強化することができ、後期には学部の授業を受けるという段階的なもので、いきなり現地のアカデミックな授業についていけるか不安であった私にはぴったりでした。


2.留学期間のスケジュールを教えてください
| 2026年2月3日 | 学部授業履修登録開始 |
| 2月13日 | 履修登録締め切り |
| 3月16~20日 | Assignment Week |
| 5月1日 | 2nd Semester 授業終了 |
| 5月12~27日 | テスト期間 |
| 6月10日 | 帰国 |

3.留学先で履修した授業科目や授業の様子を教えてください
後期から、学部の授業を4つ履修することが可能になりました。もともとアイルランドの歴史やイギリスとの関係性に興味があったことから、歴史的史跡や博物館でのフィールドワークを通してアイルランドの全体的な歴史について学べるIrish History&Cultureを履修しました。この授業はツアーガイドの経験がある先生が深い説明をしてくれることもあり、交換留学生にも人気の授業でした。フィールドワークでは、徒歩で市内の歴史的建物やスポットを回ったり、博物館や図書館を訪れました。また、アイルランドだけに留まらずEUという大きな枠組みで経済について学ぶため、Principles of Macroeconomicsを履修しました。大講義のレクチャークラスと少人数のチュートリアルクラスの両方に出席します。マクロ経済の仕組みとアイルランドの経済発展の要因を学んだことで植民地時代の支配されていたアイルランドと今の先進国としてのアイルランドの一見かけ離れた二つの面が自分の中で強くつながりました。他には、Jornalism&Media Communication Courseの中から、報道写真や映画、書籍などのメディアが伝える物語がどのように構成されているのかを学ぶUnderstanding Narrativesと、ジャーナリストや報道関係者にかかわる法律や倫理について学ぶMedia Law&Ethicsも履修しました。ニュースやジャーナルは国関生として情報収集をする際にも欠かせないメディアであり、この授業を通して、どのような法律・手法に沿って情報が届けられているのか、適切に情報を扱うにはどうすればいいのかなど、これから自分が研究をするうえで活かせるリテラシーを身に着けることができました。この二つの授業は、すべて論述のテストで、覚えることも多い上、その場で自分の考えをまとめて論理的に論述することに苦労しました。


4.留学期間で心に残っているエピソードを教えてください
私は、4人でキッチンを共有するフラットに住んでおり、そのうち二人は男性の学生でした。最初のうちは、誰かと共同生活をすることも異性と共同生活をするということも初めてで、気持ち的に負担に感じることもありました。しかし、日常生活の中で、それぞれの国の料理やお菓子を食べたり、母国の話や今の勉強の話など色々コミュニケーションをとることができました。性別や生活習慣などどれだけその人と違うかではなく、むしろ共通点や共感できる部分が多くあることに気づけました。実際、みんな思いやりにあふれた人たちで、自分がしんどい時期や困ったときにたくさん助けてもらいました。先入観で壁を感じていた初期とは打って変わって、私もその思いやりにこたえようと、相手との生活習慣の違いも尊重しようと意識して生活することができたので、留学中の共同生活を振り返っても、とても良い思い出だったと言い切れます。

5.留学前に立てた目標は、留学中に達成できましたか
アイルランドの人々のアイデンティティについて、実際に自分で見て聞いて理解を深めるという目標は達成することができたと思います。学内にはアイルランド出身の学生がとても少なかったため、学外で現地の人たちとかかわる必要がありました。私は、地域のボランティア活動に参加したり、現地の人のおすすめスポットやお店に行ったりすることでローカルな人との接点を作りました。私が国際関係学を学んでいることを話すと興味を持ってくれる人が多く、カジュアルな会話の中からも、アイルランド人ならではの考え方や社会に対する不満も垣間見ることができました。歴史的にはバイキングやイングランドから侵入され文化を淘汰された過去もあるのに比べ、今のアイルランドの雰囲気は外から来た人を排除することもなく、むしろ私が現地で出会ったのは歓迎してくれる温かい人たちでした。これは、留学生としてアイルランドに実際にいたからこそ気づけたことであり、とても貴重な気づきだったと思います。


6.今後の抱負や、帰国後新しくチャレンジしていることを教えてください
今回の留学を経て、卒論で取り扱いたいテーマが決まったので、まず先行研究や資料集めをしてしっかりとした研究計画を立てたいです。アイルランドで実際に自分が見聞きした情報から興味を明確にすることができたことがこれからの研究の強みになってくると思います。また、英語との付き合いも今後も積極的に続けていきたいと思っています。留学中に受けたIELTSでスコアを伸ばすことができたので、帰国後の英語力の伸びもこれから測っていきたいです。


7.これから留学を考えている皆さんへメッセージ、アドバイスをお願いします!
留学に行く人は「完璧」「英語ペラペラ」「めっちゃ意識高い」。そんな固定概念が私の中にもあり、自分と他人を比べてしまう私は留学に行くことを決心するまでに時間がかかりました。それでもこの機会を逃すと長期留学は難しいかもしれないと考え、思い切って踏み込んでみました。私の場合、到着後徐々に不安が消えていきました。みんなが違うバックグラウンドを持っている環境に身を置いたことで、人と自分を同じ基準で比べる必要はないと気づき、自分自身を前向きに捉えられるようになったからです。
もちろん留学だけが国際関係学部の学びを深めるための手段ではないですし、国際関係学部には海外FR、国際CDRなど現地で実践的な経験を積める機会もありますが、海外で長期間「暮らす」ことは、想像以上に刺激が多いです。
今は自分に自信がなくても、自分の決断に確信が持てなくても、行動を起こすことで後から付いてくるものもあると思います。まずは自分の気持ちを大切にしながら、周りの人に話すことから一歩を踏み出してみてください。

