2026年4月25日、キャンパスプラザ京都において、渡部潤一 神山宇宙科学研究所長の就任記念講演会を開催しました。本講演会は、国立天文台で長年にわたり太陽系小天体研究をけん引してこられた渡部所長が、2026年4月1日付で京都産業大学 神山宇宙科学研究所長に就任したことを記念して実施したものです。当日は200名を超える多くの方にご来場いただきました。
講演会では、まず渡部所長が「宇宙の放浪者を追え!―見えてきた恒星間天体―」と題して講演を行いました。観測技術の進展により、人類の太陽系に対する理解が大きく広がってきた一方で、太陽系についてもいまだ完全には解明されていないことや、現在、太陽系の外縁部にあるカイパーベルト天体の観測が進められていることが紹介されました。
また、恒星間天体については、渡部所長自身も「生きている間に見つかるとは思っていなかった」と述べるほど近年になってようやく発見され始めた天体であり、太陽系以外の星の周りで作られた天体として、ほかの惑星系の形成過程や物質的特徴を調べる貴重な研究対象であることが説明されました。京都産業大学 神山宇宙科学研究所でも、恒星間天体に関する観測研究を精力的に進めており、今後の観測や研究の進展が期待されることが紹介されました。さらに、渡部所長が提唱されている「星空浴」についても紹介されました。
その後、河北秀世 前所長(理学部 教授)も加わり、2026年春に明るくなると期待されたことで話題となった MAPS 彗星をきっかけに、彗星がなぜ壊れるのか、太陽に近づく彗星やこれまでに分裂した彗星について語り合いました。彗星にまつわる思い出や明るさの予測の難しさ、現在の理解などが紹介され、まだ分かっていないことが多い彗星研究について、今後もさまざまな方との共同研究を通して明らかにしていきたいという強い意気込みが語られました。
会場は終始活気にあふれ、講演後にも多くの方が質問の列を作るなど、関心の高さがうかがえる講演会となりました。参加者の方からは、「観測技術の進化により、太陽系の拡がりが解明されることに興味を持ちました」、「知識がない私でも楽しめました」、「渡部先生の京都での活躍をとても楽しみにしています」「お二人の掛け合いがとても良い関係性と感じました。コメット・インターセプタ―応援しています!」などの感想が寄せられ、天文の魅力を身近に感じることができる貴重な機会となりました。
講演の様子
座談会の様子
講演の様子
会場の様子