
インドネシアのマタラム大学で実施する海外FRプログラムについて、レポート第2弾です。
マタラム大学の海外FRプログラムに参加した学生は、3週間の研修を終え3月9日(月)に帰国しました。
参加学生がプログラムの後半を振り返りました。
マタラム大学のレポート第1弾は、こちら!
(国際関係学部1年次 山下 真己)
3週間のFRを終えて
帰国前日、みんなの口からは「日本に帰りたくない」そんな言葉が漏れていました。
思い返せば、ロンボク島に来たばかりの時は戸惑いの連続でした。まずは食事。日本とは違う本場の「激辛」に、みんなで「痛い!辛い!」と騒ぎながら食べたのも今では良い思い出です。また、日本と違って横断歩道が全くないことにも驚きました。ひっきりなしに通るバイク、車の波を前に、「これ、いつ渡れるの?」と途方に暮れたことも一度や二度ではありません。
それが3週目になると、あんなに怖かった道路もスムーズに渡れるようになり、辛い料理や香辛料の利いた料理もみんなおいしく食べられるようになっていました。何より、最初は拙い英語で必死だったバディとの会話も、帰国の数日前にはホテルのプールサイドで夜中になってもみんなで集まって、冗談を言い合えるほど打ち解けていました。今振り返ると、こうした他愛のない会話と時間も、FRの学びのひとつだったのだと思います。

私達の訪れたインドネシアのロンボク島は「千のモスクの島」と呼ばれるほどにイスラム教が有名です。しかし、実際に歩いてみると、イスラム教のモスクだけでなく、ヒンドゥー教の寺院や仏教の村が隣接するように存在しているカオスな光景に最初は驚いたことを覚えています。そんな宗教において独特な光景が広がるロンボク島を知る機会として、イスラム教の寄宿学校、ヒンドゥー教の寺院、仏教の村など宗教に関連する施設や場所に訪問する機会がありました。
特に印象的だったのは、イスラム教の寄宿学校での交流です。私はこれまで「イスラム教は非常に厳格なものだ」というイメージを持っていました。しかし、寄宿学校の先生に「(寄宿学校の)卒業生はみんな司祭になるのですか?」と尋ねた際、返ってきた答えは意外なものでした。「そんなことはありません。一人ひとりが自分の夢ややりたい生き方をしてくれるのが一番で、私たちはそれを望んでいます」。その柔軟で温かい教育姿勢に、自分の持っていたイスラム教に対する偏見のようなものが崩れるのを感じました。実際に、最近の時代に合わせたIT教育にも力をいれており、日本人のイメージする宗教寄宿学校とは大きく異なるものでした。
また、仏教の村で聞いた「宗教もまた一つの考え方の違いに過ぎない。人はみんな違ってみんないいんだ。」という言葉もとても印象的でした。こうした対立ではなく調和を求めるその姿勢こそが、この島で多様な宗教が共存してきた背景にある「寛容さ」の正体なのだと肌で感じることができました。

後半の活動では、この島の未来を象徴する経済の最前線、マンダリカ経済特区で活躍する日系企業「バンブーラボ」を訪問しました。「バンブーラボ」はロンボク島で不動産を経営する企業で、その不動産建築の一つに現地で採れる竹を活用した美しくサステナブルな独自の建築方式を取り入れており、実際に運営されているレストランなどを訪問した時には、みんなあまりの美しさに言葉を失っていました。
「バンブーラボ」のスタッフの方からインドネシア政府によって掲げられている「第二のバリ島」を目指す熱気あふれるプロジェクトに関して、そのプロジェクトに日本企業が地域と深く繋がっているという話を聞き、共に成長しようとする「挑戦の姿勢」、私自身、将来「海外で働くこと」への強い憧れと可能性を感じずにはいられませんでした。

そして、このロンボク島での研修を特別なものにしてくれたのは、バディたちとの深い絆です。
インドネシアのロンボク島FRならではの魅力は、この「人の温かさ」にあると断言できます。最初は拙い英語で必死に意思疎通をしていた私たちでしたが、最後には性別も国籍も超えて、まるで家族のような時間を過ごしました。最終日、空港での別れの時間は、全員が涙しました。たった3週間前には全く知り合う可能性すらなかったバディと、抱き合って涙を流しながら再会を誓い合う。そんな濃密な人間関係を築けたことこそが、今回の研修で得たもう一つの学びです。

この3週間、私たちは「大学のキャンパス」を飛び出し、現場の「空気」を吸い、現地を知り、現地の「人」と心を通わせました。大学に戻っても、この島で学んだ「力強く発展しようとする経済の可能性」と「多様性を認める寛容さと人の温かさ」を糧に、大学での学びを深めていきたいと思います。