2025年11月15日、マレスゼミの3年生(「京都文化演習I B」)が本学キャンパスの菖蒲池に立っている五葉松2本に雪吊りを設置しました。活動について、ゼミ生からのレポートをお届けします!
2024年度マレスゼミ卒業生の川畑 和也(かわばた かずや)さんが雪吊りを論文のテーマに選んだのが最初のきっかけでこの活動が始まりました。兵庫県豊岡市に生まれ育った川畑さんにとって、雪吊りは冬の日常の風景のひとつ。中学生の頃から興味をもって、実家の庭の松や低木にもつけていたそうです。大学では、雪吊りの歴史や文化などについて調べて、論文をまとめると同時に、マレス先生の勧めで実際に作ることになりました。なんと今年で3年目! 今年も、マレス先生と川畑さんが主導し、ゼミ生一同作業を行いました。
昨年(2024年)の様子はこちらからご確認ください!(2024年の広報記事)
雪吊りの作業工程自体はシンプルなのですが、未経験者の3年生には苦労することも多々ありました。作業中で特に難しいと感じたのは次の4点です。
- 支柱となる竹を設置する時に気をつけないと、完成した三角形が斜めになってしまう可能性がある
- どの方向から見ても綺麗に見えるように、等間隔に縄を広げることに苦戦した
- 縄を枝に締めすぎると、枝の向きが縄に持っていかれてしまう
- 力仕事よりも細かい作業の方が意外と大変だった
バランスのいい、美しい形をつくるには、こうした微調整のひとつひとつを丁寧にこなさなければなりません。いつの間にか夢中になって、ああでもない、こうでもないと相談しながら、細かい作業を楽しそうにしていました。そして、完成した雪吊りを見上げた時には達成感と感動を覚えました。「みんなで協力して作業できて良かった」と言った声もありました。
1年目の雪吊りは縄8本。2年目は縄10本。今年も縄10本をつけましたが、今年は少し「アレンジ」を加えてみました!
切り落とされた短い縄を再利用して、蝶々結びでリボンのようなものをつけてみました。実は、川畑さんは幼い頃、雪吊りがクリスマスツリーだと思っていたというお話を聞き、今回は思い切ってクリスマスツリーのように装飾した、オリジナリティのある雪吊りをつくりました。「遠目では小さい蝶々結びが見えないので、近くに寄ったときに新たな発見ができるのも素敵だ」と、ゼミ生はとても満足そうに語っていました。
今年の”クリスマスツリー風”雪吊りは見た目の華やかさだけでなく、幼少期の川畑さんの記憶を実現させた特別な作品になりました!!本学にお越しの際は是非お立ち寄りください。
(京都文化学科マレスゼミ3年生一同)

まずは支柱になる竹の長さとその位置を確認する必要があります。学生は離れて、いろんな角度からそのバランスを見ます

長さが決まったら、次は結び技。卒業生の川畑さんは慣れた手つきで竹の先端に縄を結びつけてくれました

先端の結び目が解けないよう、皆で力を合わせてしっかり止めました

結び目ができたら、もう一度竹を立てて、垂直の位置を決めます

縄が放射状に広がるように、等間隔に広げるのが意外と難しい

雪吊りと紅葉は美しいですが、雪吊りが本当に完成するのは、雪が降ってからなので、またぜひ寒い冬の日に見ていただきたい

初の試みであるリボンは、端材を活用しようというゼミ生の考えから始まりました

力作の前で卒業生の川端さんと3年生の集合写真!まるまる1日をかけただけに、出来上がりに大満足