2025年12月12日(金)にバイオフォーラムを開催しました。
本セミナーでは、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校・特別非常勤講師の中川知己氏より「協調はいかにして成立するのか」という問いを、植物と微生物の共生関係を題材に考察しました。私たちの社会では法律や規範が整備されている一方で、協調の本質的な仕組みはいまだ明確ではありません。
講演では、自然界において植物が病原菌と対抗進化を続ける中で、有用な微生物を受け入れ、相利共生を成立させてきた例として、マメ科植物と根粒菌の共生が紹介されました。共生相手を正しく認識する分子機構や、不正を行う菌に対して制御を行う仕組みが備わっていることが、研究成果をもとに解説されました。
これらの仕組みは、植物が長い進化の過程で獲得してきたものであり、「信賞必罰」という原理が、安定した共生関係の維持に重要であることが示されました。本セミナーは、自然界の共生戦略から人間社会の協調のあり方を考える機会となりました。参加した学生からは、「自然界の植物と微生物の関係が興味深かかった」などの声が聞かれました。
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