本学大学院 理学研究科物理学専攻 前期課程1年次生の佐久間 竜雅さん、中西 稜さん、新田 悠翔さんが、2025年10月6日から岡山コンベンションセンターで行われた「第14回観測的宇宙論ワークショップ」に参加しました。
西道 啓博准教授も世話人として参画しているこのワークショップは、観測事実に基づき宇宙の基本的な構造を明らかにする「観測的宇宙論」分野の最新の研究について、日本のコミュニティ内で意見交換を行うことを目的として、毎年各地で開催されています。より幅広いテーマに関する最新の知見を共有し、新たな共同研究の可能性を探るため、観測的宇宙論分野に加えて、主に開催地近郊の研究機関に所属する異分野の研究者を招いた招待講演を実施しています。また、大学院生による初期研究成果や萌芽的アイデアの積極的な発表も推奨されています。
岡山理科大学がホストとなった今回の研究会では、初期宇宙における指数関数的宇宙膨張であるインフレーションから、近傍宇宙におけるダークマターの直接探査に至るまで、幅広い時間・距離スケールにわたるテーマが扱われました。本学からは3名の大学院生に加えて、西道 啓博 准教授、小林 洋祐 研究員、井上 拓也 研究員が参加しました。

本学からの参加者
大学院生の3名にとっては、今回が対外的な研究集会での初めて口頭発表でした。いずれも、分野の第一線で活躍する研究者を含む多くの聴衆を前に堂々と研究成果を発表し、質疑応答を通して今後の研究の発展につながる貴重な助言と大きな刺激を得たようです。大学院生らは、本学からの研究支援制度により、渡航費用や参加費の支援を受けました(※)。
概要
名称:第14回観測的宇宙論ワークショップ
場所:岡山コンベンションセンター
期間:2025.10.06~2025.10.08
本学からの参加者の発表題目(講演順)
- Dark CAFE: 宇宙論モデルの仮定を必要としないエミュレータの可能性(西道 啓博)
- 銀河パワースペクトルの微分可能コード開発(小林 洋祐 = 招待講演)
- パワースペクトル解析による統計モデルの開発と宇宙論パラメータ推定(新田 悠翔)
- 重力赤方偏移の検出に向けたN体シミュレーション解析:銀河二点相関関数の奇数次モーメントの測定と系統効果(井上 拓也)
- N体シミュレーションにおける重力ポテンシャル場を用いたサブハロー同定手法の開発(中西 稜)
- log型非ガウス性を持つバンプ入り原始パワースペクトルモデルが大規模構造に与える影響(佐久間 竜雅)
※大学院生による国内外での学会に出席する機会や論文誌への投稿の機会を増やすことにより、大学院生の教育研究の活性化および充実を図る制度。国内外で開催される学会に出席する際に要した旅費等、論文誌(査読付き)への掲載費および図書館資料費について、一人当たり年間25万円を上限として支援を受けられます。