理学部物理科学科では4年次生の卒業研究として専門分野の研究に取り組んでいます。2025年度のハドロン物理学特別研究では宇宙線ミュー粒子を用いた構造物の透視(ミューオグラフィ)に応用するための放射線検出器の開発を行っています。
阿蘇山の坑道でのミューオグラフィ測定を開始するための予備実験として、京都大学・大阪大学との共同研究で、宇宙線ミュー粒子測定用放射線検出器を阿蘇山の坑道に設置し、試験観測を開始しました。卒業研究では、気象データと宇宙線測定データとの相関を研究し、卒業論文として仕上げようとしています。学内での普段の実験とは異なり最先端の研究施設に触れることで、様々な学びを得られたと思います。

阿蘇山での実習時の写真

阿蘇山での観測準備の様子
卒業研究生からのコメント
内田 佑亮 さん
専門分野の実験以外にも現地のことや人との交流についても学びを深め、貴重な経験ができました。
山品 拓也 さん
自分の行っている研究が別の研究に応用されているところを見ることができ、さらに研究に参加できたことがとても良い経験になりました。
用語解説
ミュー粒子
素粒子の一つであり、電子と似た性質を持ちますが、質量が電子よりも約200倍大きい粒子です。
宇宙線
宇宙空間を飛び交う高エネルギーの粒子(1次宇宙線)や、1次宇宙線が大気と衝突して生じた様々な粒子(2次宇宙線)があり、ミュー粒子は2次宇宙線として地表に飛来します。