
学部の授業以外にも活躍の場を求めて積極的に取り組む学生を紹介する本企画。
今回は、「ノルウェーサーモンの環境外部性と国際貿易」をテーマにノルウェーを訪問し研究を続けている、国際関係学部2年次の小竹里穂さんにお話を聞きました。
1.「国際関係」に興味を持ったきっかけを教えてください。
母が幼いころから外国文化を学べるコミュニティへ度々連れて行ってくれました。そこで国際関係という言葉は自分の身近なものに感じていました。そして、文化や価値観の違いを理解することの大切さを感じ、国際関係の仕組みに興味を持つようになりました。幼いころからの将来の夢も”国際社会で活躍する人材になる”でした。

2.今、注力している取り組みは何ですか?
現在、私は「一枝会行ってみ!チャレンジ」を通して、国際貿易と環境問題の関係性をテーマに実践的に理解することに力を入れています。2025年10月から11月の間に一枝会支援金を利用してノルウェーへ渡航しました。そして「ノルウェーサーモンの環境外部性と国際貿易」を調査するために企業訪問や養殖場見学、インタビュー調査を行いました。私はお寿司で人気なサーモンに焦点を当てて、サーモンが抱える国際問題の複雑さに興味を持ちました。ノルウェーでは特有の自然環境であるフィヨルドを効果的に利用し、政府の厳格な管理体制のもとで企業と連携し、海洋環境保全の取り組みを実施していました。こうした政府の支援と厳しい環境政策がノルウェーが誇るサーモンの輸出量を維持できる要素となっていました。事前勉強してから渡航しましたが、やはり細かい環境政策など現地へ足を運ばないと知ることができなかったことはとても多かったです。自分の目で見て、考えることの重要性を実感しました。




3.その取り組みに参加(応募)したきっかけ・動機を教えてください。
昨年、真理館で一枝会報告会の案内を見ました。私はその案内を見たときに「来年応募しよう」と決めました。そして、先輩方の報告会を聞いた時とても素敵なプログラムの存在に驚いたことを覚えています。私のチャレンジ精神を試せる機会だと思いました。



4.参加して、ご自身にとってプラス(成長)につながったこと、気づきは?
気になったことはやってみるということと、国際問題を多面的に考える力です。”後悔先に立たず”の言葉通りで、本当にやってみないとどうなるかわからないし、自分の”やってみたい”という気持ちを大切にして応募して良かったです。また、1つの問題を複数の観点から分析する重要性を改めて実感しました。今回私はサーモンに焦点を当てて、抗生物質使用問題・他国との比較・海洋汚染問題・寄生虫問題・貿易対策など複数の面でノルウェーサーモンについて理解しました。教科書やインターネットだけでは得ることができないリアルな課題や対策を学びました。そして、これからも自分の気になることには前向きにチャレンジしたいです。

5.国際問題を考えるうえで、普段から心がけていることはなんですか?
私は国際問題を考える際は、特定の立場に偏らず、多面的に問題を理解するように心掛けています。政府・企業・市民など主体ごとの視点から全体の構造を捉えることができるように努めています。


6.今の活動をとおして、今後の抱負、また将来に繋がること・繋げたいことは?
私は一枝会で得た多面的に物事を捉える力をこれからも伸ばしていきたいです。また国際問題の複雑さや各問題が抱えるジレンマを具体的に分析し、多面的な情報を踏まえて判断できる姿勢を大切にしたいです。



7.国際関係を学ぶ学生(興味を持っている高校生)のみなさんへ一言
国際関係の学びは世界で起こる問題を様々な角度から見る力を育ててくれます。国同士の関係だけではなく、その背景にある歴史、経済、文化、環境などを細かく分析することでより深く理解することができます。これらの関係性を学ぶことが国際関係を学ぶ大きな価値であると思います。また、国際関係で得られる広い視野は自分自身の強みになると思います。
