文化学部大平睦美教授が、2025年10月14日~17日に幕張メッセで開催された「CEATEC 2025」において、教育の地域間格差解消を目指す取り組みを発表しました。
CEATEC(Combined Exhibition of Advanced Technologies)は、Society 5.0の実現を掲げ、最新技術と社会課題解決を両立する国内最大級のデジタルイノベーション総合展です。今年は、「Innovation for All」をテーマに開催されました。
大平教授は、「地方創生2.0特設パビリオン」に登壇しました。このパビリオンは、国の政策と連動しながら自治体・企業・大学・スタートアップが地域課題解決に挑戦する場で、観光DXや農業スマート化など、地域資源とデジタルの融合による先進事例が紹介されました。
発表テーマは「AI学校司書で実現する教育の未来」です。

発表を行う大平教授
日本では学校図書館法により全校に図書館が設置されていますが、小規模校では司書不在が多く、探求型学習における情報活用が不十分という課題があります。これを解決するため、AIを活用した「AI学校司書」構想が提案されました。遠隔レファレンスやデータベース化により、児童生徒や教員がいつでも質の高い資料にアクセス可能となることを目指しています。
千葉市と和歌山県日高川町での実証実験では、教員レビューを蓄積するアプリを開発、導入し、2025年10月時点で4,000件超のデータを収集しており、AIによる資料提供の精度向上が進んでいます。今後は地域・科目限定で実装し、「すべての子どもに、等しく学ぶ機会を」という理念のもと、AIと人の協働による未来の学校図書館づくりが期待されています。