2025.10.09

国際関係学部が大阪・関西万博でパラオ独立記念イベントに協力 ― トーク&クイズを通じてパラオの魅力を発信 ―

2025年10月1日、大阪・関西万博「コモンズA」のファンクションスペースにおいて、パラオ共和国の独立31周年を記念したトーク&クイズイベント「直行便で行ってみたい!日本の隣国・パラオの魅力を発見しよう」が開催されました。本イベントは、国際関係学部の三田貴教授が企画し、パラオ・パビリオン関係者と協力して、パラオ政府観光局(Palau Visitors Authority: PVA)およびパラオ・パシフィック・リゾート(PPR)の関係者をゲストに迎えて実施されました。

参加者の皆さんとパラオ独立記念日を祝いました。

この企画は、三田教授が7月にパラオブースでボランティア活動を行った際、「パラオの名前は聞いたことがあるけれど、実はあまり詳しく知らない」という来場者の声を多く聞いたことがきっかけでした。「もっと多くの人にパラオを知ってもらい、実際に訪れる人が増えるように」という思いから、パラオ・パビリオン運営チームとの協議を経て実現しました。2025年は戦後80年という節目の年であり、10月29日にはユナイテッド航空による成田―パラオ直行便の就航も予定されています。こうした背景のもと、本イベントは「パラオに注目する絶好の機会」として実施されました。

パラオ政府観光局からパラオ観光の魅力を紹介

当日は多くの来場者が集まり、パラオ政府観光局とパラオ・パシフィック・リゾートの代表者から、環境保全と観光の両立、そして人々の温かさに支えられたパラオの魅力が紹介されました。パラオ政府観光局の方々は名古屋でのイベント参加のために来日中で、日帰りで大阪まで足を運んでくださり、パラオ・パシフィック・リゾートの担当者はこの期間、万博のパラオブースで広報活動を行っていたことから、今回のイベントにもご協力いただきました。こうした複数のアクターが連携する形での実施となり、万博という国際的な場で、官・民・学が一体となってパラオの魅力を発信する貴重な機会となりました。

三田教授のトークでは、日本が31年間にわたりパラオを統治していた歴史的背景や、今日における深いつながりに触れながら、パラオ社会に多くの日本語が残っていること、そして「援助される側」や「小さな島国」と見られがちなパラオが、「先進性」があるという視点からパラオを紹介しました。伝統と社会保障を融合させた社会制度、優れたジェンダーバランスの実現、相互扶助による貧困のない社会、そして環境保全と観光を両立させた政策などを取り上げ、「パラオは『開発の遅れた国』ではなく、先を行く知恵を持つ国であり、日本をはじめ世界が学ぶべき“未来型の社会モデル”を提示している」と語りました。

「パラオは日本の南にある隣国である」と説明する三田教授 

続いて行われたスマートフォンを使ったクイズ大会では、トーク内容を踏まえた問題が多く出題され、パラオの地理や歴史、現代社会の状況、そして今月末に就航予定の直行便に関する内容などが含まれていました。賞品には、パラオの特産品である小型ストーリーボード(板彫り)やアクセサリー、アニメ映画『ペリリュー―楽園のゲルニカ』(12月に公開予定で、当日のプレゼンでも紹介された)のチケット、パラオのショッピングバッグなどが用意され、会場は大いに盛り上がりました。

運営スタッフとしては、国際関係学部3年次生4名がボランティアとして参加し、いずれも今年パラオでの3週間のインターンシップを経験した学生たちです。彼らは現地での体験を交えながらクイズの解答解説を担当しました。また、卒業生1名もボランティアとして参加し、運営を支えました。学生・卒業生の協力と活躍が、イベントの成功に大きく貢献しました。三田教授は「学生たちがパラオでの経験を通して培った知識を、社会に向けて発信する機会になった。こうした学びの循環を今後も続けていきたい」とコメントしています。

イベント準備と運営に携わった国際関係学部学生と卒業生

国際関係学部では、毎年、「国際キャリア開発リサーチ科目」の一環として、パラオの政府機関や公的機関でのインターンシップ型の実習を行っており、学生たちは現地での実践的な学びを通して、国際社会における多様な価値観と持続可能な社会のあり方を探求しています。