2025.10.06

現代社会学部 松永 智教授が「日本体力医学会賞」を受賞しました

現代社会学部健康スポーツ社会学科 松永 智 教授 (運動生理学)が、下記の研究課題で日本体力医学会から第38回日本体力医学会賞を受賞されました。去る9/17(水)-19(金)に立命館大学で開催された第79回日本体力医学会大会の授賞式にて表彰と、その後に受賞講演が行われました。

学会賞

Pre-exercise nitric oxide donor supplementation attenuates decline in muscle contractile force and ryanodine receptor proteolysis following eccentric contraction

 Satoshi Matsunaga 1), Daiki Watanabe 2), Keita Kanzaki 3),  Sumiko Matsunaga-Futatsuki 4) and Masanobu Wada 5)

 1) Kyoto Sangyo University       2) Osaka University of Health and Sport Sciences       3) Kawasaki University of Medical Welfare      4) Higashiosaka Junior College       5) Hiroshima University    

邦題

運動前の一酸化窒素供与体の補給は,エキセントリック収縮後の筋収縮力の低下とリアノジン受容体の分解を抑制する

概要

本課題は、一酸化窒素(NO)供与体の経口摂取が、伸張性(エキセントリック)収縮(ECC)後の筋収縮力と筋細胞内Ca2+ 調節タンパク質に及ぼす影響について検討を行った。ECCの4日前から4日間、NO供与体が摂取された雄性ラットには、200回のECC負荷の2日後に採血と両脚の長趾伸筋の摘出が行われた。筋発揮張力はECC負荷により大きく低下したが、ECC2日後、NO供与体摂取群では安静時のレベルに回復した一方、対照群の値は有意に低値を示した。これらの要因を調べるために、筋小胞体(SR)Ca2+  調節タンパク質について免疫ブロット法を行った。その結果、SRのCa2+ 放出能を担うリアノジン受容体(RyR)1のタンパク質の量は、対照群と比較してNO供与体摂取群の方が有意に高値を示した。これらのことから、ECC前にNO供与体の経口摂取は、ECC後の筋発揮張力の回復を促進すること、これはRyRタンパク質の分解抑制に起因することが示唆された。

受賞式の風景
受賞講演
日本体力医学会
第79回 日本体力医学会大会

1949年に設立。現在では一般社団法人日本医学会連合の分科会の一つとなっている。分子生物学から疫学までさまざまな手法を駆使し公衆衛生を通じた国民の健康、医療における身体活動・運動の重要性、また競技スポーツを通じて人類の可能性を究める取り組みを支える活動を続けている。