本学大学院 理学研究科 物理学専攻 博士前期課程1年の佐久間 竜雅さん、中西 稜さん、新田 悠翔さんが2025年6月2日から5日までの4日間、京都大学 基礎物理学研究所で行われた国際スクール“East Asian Meeting on Large Galaxy Surveys for Cosmology and Galaxy Formation”に参加しました。本スクールは、宇宙論や銀河形成の分野における著名な研究者を講師として招き、世界各地で開催されている国際的な教育プログラムで、前回は2023年にエジプト・カイロの国立天文地球物理学研究所で行われました。今回は、アジア、北中米各地から約40名の大学院生および若手研究者が参加しました。
本学から参加した3名(湯川秀樹像の前で)
会期中は9名の講師による講義が行われ、現代宇宙論の概観、銀河形成論、観測データやシミュレーション解析における数値的・統計手法、そして現在および将来の大規模観測計画に至るまで、最新の研究動向が包括的に紹介されました。本学理学部 宇宙物理・気象学科の西道 啓博准教授も、“Machine Learning Cosmology”と題して宇宙論への機械学習の応用に関する講義を担当しました。いずれの講義にも参加者から活発な質問が寄せられ、会場は熱気に包まれていました。
今回のスクールのテーマである大規模銀河サーベイ観測は、宇宙の大規模構造の解明を目指す国際的な研究分野であり、日本ではすばる望遠鏡を用いたプロジェクトが国際的にも高い評価を受けています。また、アメリカやヨーロッパでも複数の先進的な計画が進行中で、今後の成果が期待されています。こうした最前線の研究テーマに直に触れる機会を求めて、次世代を担う大学院生・若手研究者たちが積極的な参加し、意欲的な議論が交わされました。
講演する西道准教授
また参加者たちは、7つの班に分かれてグループワークに取り組み、最終日には各班が成果発表を行いました。すべての活動は英語で行われ、参加者たちにとっては専門知識の獲得だけでなく、国際的な協働の機会となりました。本学から参加した3名はいずれも異なる班に配属され、佐久間さんは“Project 3: Spatial distribution of galaxies around a cluster of galaxies and correlation functions of massive galaxies”、新田さんは“Project 5: Dependence of galaxy properties on environment”、中西さんは“Project 6: Galaxy and halo selections and cosmology”というテーマのもとで研究を行いました。英語による議論や共同作業、プレゼンテーションは、彼らにとって大きな挑戦であったと思われますが、限られた時間の中で各々がテーマを深く掘り下げ、しっかりとした成果をまとめて発表に臨みました。
グループワークに参加する新田さん(右から2人目)
成果発表する佐久間さん
成果発表する中西さん
今回の国際スクールへの参加は、最先端の宇宙物理学に触れるとともに、異文化・多言語環境における研究活動を経験する貴重な機会となりました。参加した学生たちは、国際的な視野と研究者としての姿勢を大きく広げたことでしょう。今後のさらなる学びと研究の発展が期待されます。
概要
名称:East Asian Meeting on Large Galaxy Surveys for Cosmology and Galaxy Formation
場所:京都大学基礎物理学研究所 益川ホール
期間:2025.06.02-2025.06.05