アサヒグループHD 社長 泉谷 直木さん × 山田 幸代さん対談

※所属・肩書は取材時のものです。(2013年5月)

現在の学生の姿を見てどう感じられていますか。

今の学生は「自信が低下」しているように感じます。これは大学も含め、社会の責任が大きいと思いますが、決して環境のせいにしてはいけないと思います。環境のせいにして行動を起こさないのではなく、積極的に大学から外に出てほしい。内弁慶にならず、外に出ることにより自信をつけることができるのです。今の学生には、社会と接する機会を多く持ってほしいと思います。

社会はどのような学生を求めているのでしょうか。

一昔前は「体力」だけでも人より抜きん出ていればよかった時代もありました。しかし、今は「体力」+「知力」が求められています。この知力というのは、特に“個性的な知力”が求められています。山田さんはその典型であり、ラクロス界の先駆者として活動していることは、まさに「グローバルパワー」という“個性的な知力”を身に付けることに繋がっているように感じています。

泉谷先輩のモチベーション(テンション)の源はどのようなものでしょうか。

何事においても「もっとできる!」、「自分にはもっと上のことができる!」と考えると自然とテンションが上がり、チャレンジ意欲が湧いてきます。若い頃は いい意味で怖さを知らず、発言や行動が過ぎたために叩かれたこともありましたが、それでも自分のやっていることは「絶対に会社のためになる」、「自分の成 長に繋がる」という信念を持ち、ポリシーを貫き続けました。

その気持ち、よくわかります。私も常に一つ上のステップを目指すことでテンションが上がり、モチベーションになっています。 泉谷先輩は「常にいろんな視点で物事を見ている」とおっしゃいましたが、そのような力はどのように身に付けられたのでしょうか。

まず、人間にとって無駄な時間というものはありません。時間だけでなく、人にとってどんな物事もすべてにおいて無駄なものはありません。無駄な時間があるという人は、その時間、本人が意識を持っていないから無駄になっているのです。
私は好奇心が旺盛で、常に周りのいろんなことを見ています。友達も含め、周りにあるすべてが勉強の材料であり、みんなから学ばせてもらっていると思ってい ます。「自分は仕事ができる」と思って取り組むことは大切なことですが、傲慢であってはいけない。私は「できる気持ち(自信)」は持っていますが、それ以 上に「学ぶことがたくさんある」と考えています。だから、どんな人とも接し、常にいろんなものを見て学んでいます。そのように考え行動していると、そこに 無駄な時間は発生しません。
それに加え、私の強みはいつでも裸になれることです。地位や名誉など関係なく行動しています。裸になればなるほど、いろんなことが見えてきます。何事においても「虚心坦懐」、ピュアな気持ちを持つことが大切だと思っています。

学生に向けて激励のメッセージをお願いします。

学生に伝えたいことは、「火種人間になれ!炎を起こし燃えろ!」ということです。いろんなところに、煙を上げ燃え盛る火種になる人間がたくさんいると、その組織はみんなが炎を上げていき、元気になっていきます。
ではどのようにして火種人間になるのか-
火種人間になるには、「「Y・W・T」の生き方を実践することです。「Y・W・T」とは、常に一生懸命“Y=やる”こと。それをやりきると“W=わかる” ことが出てくる。わかったことが出てくると“T=次を考える”。「やって(Y)、わかって(W)、次の事を考える(T)」、その繰り返しが自らを成長させ ることに繋がります。
そして、同時に「Y・T・T」、“Yesterday”“Today”“Tomorrow”、常に昨日の反省をし、今日の分析をし、明日(将来)の夢を描 く…それを毎日繰り返すことが重要です。私は今でも毎日、自分が何をやって、そこから何がわかって、何が今後のテーマなのか、この思考を繰り返していま す。学生の皆さんにも実戦してもらい、火種人間になって活躍してもらいたいと思います。
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