令和3年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 人間科学教育科目

1. 「学習成果実感調査」についての分析結果

人間科学教育科目は、前年と同様にほとんどの科目がオンラインで実施された。全科目平均での学習成果実感調査の実施率は春74.67%・秋73.51%、回答率は春27.17%・秋16.88%であった。前年の数値(実施率:春78.57%・秋69.23%、回答率:春33.71%・秋27.27%)と比較して、通年での平均実施率は維持されたが、通年平均での回答率8.5%も低い数値になっている。調査をオンラインで実施することになってからの回答率の低下傾向が顕著である。
授業の満足度を示す「春設問6・秋設問5、この講義で学びの面白さを感じた。」、「春設問8・秋設問7、総合的にみてこの講義に満足している」の2つの設問で春85%弱・秋87%前後の学生が、「強くそう思う」「そう思う」と回答している。この設問に対して、昨年は約80%が同様の回答であり、一昨年は約70%であった。「春設問・秋設問6、この講義の学習を通じて、知識を得たりスキルを伸ばすなど、自らの成長を実感することができた。」では、「強くそう思う」「そう思う」と答えた割合は春80%程度・秋80%強であった。この設問に対して、昨年は80%弱が同様の回答であり、一昨年は60%弱であった。準備学習等の時間を問う設問3の回答において、準備学習が30分未満の受講生は春20%・秋22%で、昨年と同程度である。一昨年は約50%であった。受講するにあたってもっとも重視したもの、を問う春設問9・秋設問8では、「講義内容」と回答した受講生が春62%・秋54%であった。昨年は約65%、一昨年までは50%であった。このように、多くの調査項目で積極的な学びの姿勢が見られる結果になった。今年度の春秋の比較、および昨年度との比較から、回答率が低くなるに従って、アンケート結果には積極的な学びの姿勢の傾向が強く見られる。
「春設問10・秋設問9、基本科目と展開科目の関連性を考えて履修した」の回答結果は、春55%・秋57%の学生が、「強くそう思う」「そう思う」と回答しており、半数程度の学生は基本科目と展開科目をセットにして履修していると推察される。

2. 総括

(1)1において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

本学の人間科学教育における特徴は、人文・社会・自然科学の各領域における「基本科目」と「展開科目」という枠組みでのカリキュラム設定によって、多面に幅広い教養を身につけ、体系的な知識の習得を目指していることである。学習成果実感調査の結果からは、学習を円滑に進めることができ、学習効果を高める効果もあったことが伺える。

(2)1において確認された改善すべき点

今年度のアンケートの回答率が春30%・秋22%程度であるため、調査結果から受講生全体の動向を十分に把握することは難しく、ポジティブな回答にバイアスしている可能性が高い。回収率の主な低下要因は調査をオンラインで行なったことであるので、実施方法を改善することが要望される。

3. 次年度に向けての取り組み

人間科学教育科目において取り組みが必要な事項とし、1. 英語講義科目をはじめとする、受講者数が継続的に少ない科目の扱いについての判断、2. 人間科学教育科目の科目ごとの責任者・責任学部が曖昧であり、学部負担にも偏りがあること改善すること、がある。新型コロナ対応が落ち着き、本来の講義体制が復活できる頃に検討を行いたいと考えている。
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