華東師範大学意見交換会—「AI時代のグローバル人材育成について」

開催場所 京都産業大学 第二研究室棟 会議室
開催日時 2018年4月17日(火)10:30~12:30

意見交換概要

華東師範大学より代表団6名が来学され、世界問題研究所と「AI時代のグローバル人材育成について」をテーマに意見交換会を行った。
日本の科学研究は世界でも進んでいるが、理系と文系の垣根が高く、実際の経営に活かしきれていない側面がある。しかし、ここ1年で、銀行業界においてAIの導入が始まり、新卒採用の数も半減された。融資を行う銀行は、膨大なデータの比較から「信用度」を判断するため、AIの応用可能性が非常に高い領域であった。同様の理由から、独創性の高い領域だと思われていたような、医師や弁護士といった仕事が、実はAIが得意とする分野であり、膨大なデータを扱う領域は淘汰されていく可能性が高い。中国でもAIの導入によって、人員削減などが行われている。
しかし、AIは、ディープラーニングによって、単なるアルゴリズム的な学習ではなくなった。そこで、いくつかの問題が指摘されている。一つは、AIが自律的に学習するため、その思考のプロセスが人間には理解できないというブラックボックス問題である。二つ目に、AIの限界として、記号を実世界の意味とどのように結びつけるかというシンボル・グラウンディング問題や、問題解決に際して現実に起こりうる不必要な情報を考慮してしまうことによって解決することができないというフレーム問題がある。そこで、存在をどのように認知するかという哲学的な問題も考えていかなければならない。 以上の議論から、AI時代のグローバル人材育成は、データの処理などではなく、クリエイティブな能力を身につける教育が必要であり、また同時に、次にリーダーシップを取っていく世代が、AIを始めとする先端技術の知識に慣れ親しむ必要性が指摘された。

華東師範大学代表団

  • 施 国踊(華東師範大学人事処長・教授)
  • 範 国睿(華東師範大学教育学部・教授)
  • 段 純剛(華東師範大学信息学院常務副院長・教授)
  • 田 陽(華東師範大学化学および分子工程学院長・教授)
  • 楊 海燕(華東師範大学哲学部副学部長・准教授)
  • 王 非(華東師範大学国際交流処プログラム主管)
意見交換会の様子
施教授(右)と東郷所長
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