社会安全・警察学研究所 3月研究会(RISTEXプロジェクト関連)

科学振興機構社会技術研究開発センター(RISTEX)公募プロジェクトに採択された、「親密圏内事案への警察の介入過程の見える化による多機関連携の推進」の調査・研究活動の一環として、3月29日、NPO法人児童虐待防止協会理事長の津崎哲郎先生をお招きし、研究会を開催した。津崎先生は、大阪市中央児童相談所(現大阪市子ども相談センター)の元所長で、同所勤務時代から今日に至るまで、長年にわたって児童虐待の問題に取り組まれている。
研究会では、「児童虐待問題の課題点~警察・司法との関係を中心に~」と題して、児童相談所側の実情及び児童虐待対処の基本となる考え方(メカニズムの解明とリスク評価に立った改善のための援助)を踏まえ、主に児童相談所と警察の法的関係と課題について、法律の制定及び改正の影響、以前の調査結果とその後の改善状況、近時の検察における福祉的な視点の導入の意義と刑事手続の出口の重要性を含めて、お話をしていただいた。
研究会には研究所所員、学外研究者が参加し、「警察の刑事的介入をめぐって、児童相談所からみて実際に問題となるのはどのような場合か」をはじめ、要保護児童対策地域協議会の運用(協会からのスーパーバイザー派遣を含む)、DVと虐待とのつながり(面前DVを理由とする警察からの虐待通告を含む)、児童相談所の運営上の諸課題(虐待対応に問題があったとされる事例とその背景、児童相談所運営責任者の重要性など)をめぐって、活発な議論がなされた。
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