
研究テーマ
重力レンズ現象とその宇宙物理学への応用
高校生に向けた研究内容の紹介
晴れた日の海は所々がキラキラと輝いています。この輝きの正体は、海面の凸凹で反射されて、たまたま私たちの目に届いた太陽からの光です。つまり海面の輝きを見ると、海面の「さざ波」の様子を知ることができます。
同じように、宇宙のあちこちにある天体の重力の凸凹で、光の進む方向が曲げられてしまいます。この現象で歪められた天体を観測することで、普通は観測できない天体の本当の姿を知ることができます。
ゼミナール/研究室のテーマ
重力の望遠鏡を利用し、宇宙物理学の諸問題に取り組む
重力レンズ現象と呼ばれる、宇宙独特の特異な現象を、いわば重力の望遠鏡として利用しながら、太陽系外惑星の探査から、ブラックホール、宇宙論に至るまで、宇宙物理学におけるさまざまな問題に対して、理論・観測の両側面から研究に取り組んでいます。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
ゼミ/卒業研究の紹介
宇宙のいたる所で起きている驚くような現象の中から、各個人の興味に応じた研究テーマを設定し、自分の力で発見した時の興奮や、解明することの面白さを体験してもらいたいと考えています。
神山天文台を利用した観測的研究から理論的研究に至るまで、「面白さ」を原動力にして多様なスキルを身に付ける一方で、見かけに騙されないで宇宙の真の姿に迫ることができるよう、論理的にじっくり考える能力も養っていきます。
プロフィール
生まれも実家も山口県ですが、小・中・高と広島県に住んでいたため広島が第二の故郷で、大好きです。小学生時代に友人の望遠鏡で見せてもらった月の美しさに魅せられて、宇宙に興味を持ちはじめました。その後、興味が右往左往しましたが、SFや科学番組に感化され、最終的に宇宙物理学を志すようになりました。よく理屈っぽいと言われるのですが、好きな料理をする時も理屈っぽいみたいです。
高校生へのメッセージ
何かを好きと感じる気持ち、面白いと思う気持ちを大事にしてください。その気持ちは、分からない・できないといった困難を乗り越えるための手助けになります。そして、乗り越えた時の喜びが、次の困難に立ち向かう気持ちを後押ししてくれます。マイペースでも良いので、つまづいても凹まずに好きなことや面白いことに取り組んでください。