佐藤 浩介

SATO KOSUKE
理学部 宇宙物理・気象学科 教授
学位
博士(理学)
専門分野
高エネルギー宇宙物理学、極低温X線検出器開発

研究テーマ

X線精密分光観測で切り拓く宇宙の力学的/化学的進化の解明

高校生に向けた研究内容の紹介

宇宙の大局的な構造は暗黒エネルギーと暗黒物質が支配していて、我々の体や地球を形づくる通常物質「バリオン」は宇宙の質量組成の5%程度しかありません。しかし銀河や銀河団、ブラックホールなどの宇宙の高エネルギー現象を引き起こしているのは、「バリオン」です。実は宇宙に存在するバリオンの多くが未発見であり、温度数百万度以上の高温プラズマとして存在すると考えられるため、X線を用いた観測が有効となります。私はこれら「バリオン」の精密X線分光観測を通して、宇宙の力学的/化学的進化の解明を目指しています。

XRISM衛星で観測したケンタウルス座銀河団のX線エネルギースペクトル。クレジットJAXA

ゼミ/卒業研究の紹介

宇宙から飛来するX線は地球大気で吸収散乱されて地上まで届かないため、観測するには検出器を人工衛星に載せる必要があります。研究室では、人工衛星搭載を目指したX線検出器開発と稼働中のX線天文衛星で観測したデータの解析を並行して行っています。宇宙の観測というと夜空を見上げている印象があるかもしれませんが、我々は日々実験室の中で人工衛星搭載を目指して実験を行い、観測に成功したデータを詳細に分析しています。

極低温冷凍機を搭載したXRISM衛星(2025-)。クレジットJAXA

プロフィール

群馬県出身。大学までは東京で過ごし、国内外で研究員や大学教員を経て京都に移り住みました。スポーツ観戦(主に野球とラグビー)と旅行が好きです。最近は時間を見つけて散策するのも京都に来てからの楽しみです。自然を観ながら歩いているうちに、考えがまとまったりアイデアが浮かんだりもします。

高校生へのメッセージ

自らの手で作り上げた観測機器を人工衛星に載せ、宇宙の謎を解き明かしていくプロセスは、非常にエキサイティングです。多くの国や機関の仲間たちと同じ目標に向かって協力し、議論しながら物事を進める経験は、社会に出ても役立つと思います。