
研究テーマ
高校生に向けた研究内容の紹介
主に彗星、小惑星といった太陽系小天体の軌道の進化を研究しています。これらの天体は「ケプラーの法則」に従い太陽の周りを楕円軌道で周回しているのですが、惑星や銀河系からの重力を受けることで、軌道の大きさや形は変化し続けています。太陽系小天体の45億年前の誕生から現在に至るまでの軌道進化を研究すること、そして太陽系と銀河系との関係を考えることは、太陽系全体の起源と進化の解明や、未来に観測される彗星の予測につながります。
天体の軌道から、太陽系の起源と進化を解き明かす
太陽系が46億年前にどのように誕生し、今後いかに進化するのか。その謎を解明するための主なアプローチは「観測」「探査・実験」「理論研究」の3つです。その中で私は「理論研究」によって太陽系の起源と進化に迫っています。
具体的な研究テーマは「太陽系小天体の軌道」。メインとなる研究対象は、公転周期が200年以上の長周期彗星の軌道です。
ある天体が太陽の引力だけを受けて運動する場合は、ケプラーの法則により一定の楕円軌道に定まります。しかし他の惑星、例えば木星の重力に影響を受けるとその楕円軌道からずれていきます。特に長周期彗星は太陽から非常に離れた所も通過するため、銀河潮汐力と呼ばれる銀河系全体からの力も受けて軌道が変化しているのです。そういった軌道の変化を数式や数値計算を用いて研究。数十億年かけて軌道がどのように進化してきたのかを調べることで、太陽系の起源を解き明かす一端を担えると考えています。この研究の魅力は、宇宙や天体の数十億年の進化が比較的シンプルな数式で表せる所です。
学生の皆さんには、例えば小惑星や木星の衛星の軌道について数値計算を行うなど、それぞれの興味に合わせた研究を行ってもらいます。
ゼミナール/研究室のテーマ
太陽系と銀河系における小天体の軌道進化
主に彗星や小惑星といった天体の軌道が惑星や銀河系からの重力を受けて進化する過程を、解析的手法と数値計算を用いて研究しています。
太陽系小天体の45億年前の誕生から現在に至るまでの軌道進化を研究すること、そして太陽系と銀河系との関係を考えることは、太陽系全体の起源と進化の解明や、未来に観測される彗星の予測につながります。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
ゼミ/卒業研究の紹介
特別研究では、小惑星や彗星、太陽系外惑星、連星などの観測されている天体の軌道の分類や、数値計算を用いた軌道進化の計算などを行っています。いずれも天体力学の基礎を勉強することから始めます。数式とじっくり向き合うことは少し大変かもしれませんが、天体の運動や軌道の特徴がいくつかの式だけで記述できることそのものの面白さを体験できると思います。