瀬川 耕司

SEGAWA KOJI
理学部 物理科学科 教授
学位
博士(理学)
専門分野

研究テーマ

トポロジカル物質の実験研究、主に単結晶成長

高校生に向けた研究内容の紹介

さまざまな元素の組み合わせで物質(無機物質)はできています。トポロジカル物質もそこに含まれるもので、役に立つかもしれない面白い物性が現れることが計算によっても予測されるようになっています。実際にそのような性質が現れるかどうかを見極めるため、単結晶作製を行っていますが、結晶成長それ自体もとても面白いことが多いです。

自然まかせの結晶育成、人の手でどこまで変えられるか

私の専門分野であるトポロジカル物質とは、特定の元素や結晶構造を含めば良いというものではなく、理論計算に基づいた予測があって研究が成り立っています。実験家としては自由度が減ってしまっているところもあるのですが、ほとんどの物質合成には石英ガラス管封じが必要になり、そこをいかに簡単に、かつ確実に行うかの技術開発も学生と一緒に行っています。

研究の手法としてはそこまで特別なものではないのですが、うまく条件がはまればものすごくきれいな結晶が勝手に育ってくれます。できあがったみごとな結晶を見ると神秘性を感じることもあります。結晶育成は自然の言う通りにしかならない側面が強いのですが、成長時の条件操作などで、少しでも人間の手で変えられるところがないか、も追究していきたいと考えています。

ゼミナール/研究室のテーマ

トポロジカル物質の実験研究

単結晶・薄膜試料(主にトポロジカル物質)を自分で作り、極低温・強磁場での物性も自分で測定する実験研究を行います。また、学生の興味次第で測定装置や周辺装置の開発も研究テーマになります。


※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。

ゼミ/卒業研究の紹介

研究であるからには、世界で誰もやったことがないことをする必要があります。結果によっては、「世界でこれを知っているのは自分たちだけ!」という瞬間が訪れるかもしれません。
実験の作業を機械化する装置を作って、その後の特許出願につながった事例もあります。

プロフィール

すぐに結論を求めず、あいまいなまま抱え込んでおく能力が大学では重要だと思っていたのですが、それには「ネガティブ・ケイパビリティ」という名前があることを最近知りました。まずは受け入れる、理由はあとで考える、といったことをだいじにしています。

高校生へのメッセージ

人生は複合種目みたいなものです。1種目では目立たなくても、いくつも組み合わせれば誰にも負けない特長になるかもしれません。特に実験研究にはいろいろな能力が必要なのですが、苦手な作業がある→だったら機械を作って楽にしよう!といったように、何が役に立つかわからないところが面白いと思っています。