研究テーマ
磁性と超伝導
高校生に向けた研究内容の紹介
核磁気共鳴(NMR)法を用い、物質の核磁性を通じて、磁性体、半導体、電気伝導体、超伝導体などの低エネルギー励起を電子系の多体問題として実験的に研究しています。NMRとは病院のMRIと同じ原理の共鳴実験です。
物質のなかに広がるミクロな世界を見渡す。
スピンとは素粒子の自転のことで磁石の働きを持ちます。電子も原子核も小さな磁石であり、そのスピンが電波を共鳴吸収するのが核磁気共鳴NMR。水分子の陽子スピンの共鳴を使う人体の断層写真技術MRIと同じ原理を用いて、物質の原子スケールの微視的な電子状態、特にスピンの時空間相関を研究しています。
対象は、超伝導体、半導体、磁性体などセラミックスから金属まで幅広く扱っています。超伝導になりそうな磁石や半導体のちょっと変わった性質をNMR独自の観点から実験しています。私自身、素粒子・原子核・宇宙の分野にも興味を持っており、研究の守備範囲を広げようと思っています。
ゼミナール/研究室のテーマ
磁性と超伝導
電子も原子核も磁石です。核磁石の共鳴吸収が核磁気共鳴NMR。プロトン磁石を使って人体の断層写真を撮るMRIと同じ原理のNMR法を用い、物質の磁性や電子集団の動的スピン相関関数の研究をしています。卒業研究では量子力学を使ったNMR法を 勉強します。またミクロな物理を肉眼で見えるスケールで模した装置を製作・実験・検証する教材の開発もしています。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
ゼミ/卒業研究の紹介
専門は固体物理の研究なのですが、特別研究では最近、卓上実験を中心に研究しています。テーマは「2次元クーロンクラスターのトポロジカル欠陥」「力の法則の検証」「核磁性の精密測定」「共鳴とゆらぎの測定法の開発」「量子様現象の探索」などです。受講生が自力で製作・実験・理論解析もできるテーマをサポートしています。
プロフィール
中肉中背。学部は東京の私立大学、大学院は東京の国立大で学位を取得。博士後研究員として大学3つと研究所2つでのべ15年ほど勤務の後、2010年から京産大に勤務。当時はノーベル物理学賞を受賞された益川先生もおられました。
高校生へのメッセージ
人生に無駄は無し。