
研究テーマ
代数系の表現論、数学教育
高校生に向けた研究内容の紹介
代数系の表現論は、代数構造と呼ばれる抽象的な構造をより具体的に表現する方法を分析し、また、その表現を用いて元の代数構造の性質を研究することをテーマとし、100年以上の歴史があります。代数構造によって様々な手法が知られていて、数学の他の分野の知見も駆使するので、いろいろな角度から数学を学ぶことができます。数学教育は、様々な分析を用いて、楽しくかつ将来役立つ形で算数から高校数学までを学ぶ方法を探求しています。
ゼミナール/研究室のテーマ
群および多元環の表現論
群や多元環と呼ばれる代数構造があります。例えば直線上の動き全体を代数構造と考えると、右・左への動きを+2、−3など数字で表すことができます。これがこの代数構造の表現です。代数構造の表現を、実数だけでなく例えば0、1ふたつの数のみを用いる表現なども含めて全て求めることが研究目的です。さらに表現の全体も代数構造になり、その構造の研究へと発展します。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
ゼミ/卒業研究の紹介
代数学の初歩からはじめ、厳密性を追求しつつ、その内容を深く学びます。対象は主に整数に関するもの、および群と呼ばれるものを扱います。テキストの内容についての発表が中心なので、ゼミにおいては、具体例なものから抽象的な内容まで、如何に聞き手を納得させるかが重要なポイントになります。論理的であり、かつ、直感的な納得を得られるよう伝えることは、社会に出てからも役に立つ能力なので、ゼミを通じて、数学のみならず伝える力を身につけて欲しいと思います。
プロフィール
神戸市出身です。小さい頃から算数・数学は好きでした。高校3年生のとき、数学の先生に恵まれ、大学でも数学を勉強したいと思うようになりました。また、教員になってからは、授業においてどのような伝え方をすれば、学生が納得し興味を持つようになるかを考えはじめ、このことは永遠の課題だと思っています。昭和から活躍している人達のコンサートにはよく行きます。また、様々な人と触れ合う時間は大切にしています。
高校生へのメッセージ
高校生のみなさんには大きな可能性があります。その時余り重要だと思わなくても後になって意味を持つこともあります。できるだけ限定せずに、様々なことにアンテナをはって、多くのことに接して欲しいと思います。そのようにして、自分の引き出しを増やしていくことが大切で、引き出しの多さが年齢を重ねた時の人生の豊かさに繋がります。ぜひ、何にでも首を突っ込む、目線を向ける、耳をそばだてるなどして自分の感性を豊かにしてください。