
研究テーマ
確率解析、ラフパス解析
高校生に向けた研究内容の紹介
私が研究しているラフパス解析は、滑らかさの度合いの小さな関数に関する微積分学の理論で、確率微分方程式と呼ばれるものにその起源を持ちます。確率微分方程式の理論はランダムな現象を解析するための強力な手法を提供し、数学に限らず、物理学、生物学、工学、経済学などといった諸分野にも応用されています。ラフパス解析は従来の確率微分方程式の理論に新たな視点を与え、従来の理論では解析できなかったような対象にまで応用範囲が拡がり更なる発展が期待されています。ランダムな現象を記述する微分方程式
ランダムな現象を記述する微分方程式
~ラフパス解析の視点から~
私が研究しているラフパス解析は、滑らかさの度合いの小さな関数に関する微積分学の理論で、確率微分方程式と呼ばれるものにその起源を持ちます。大雑把にいうと、微分方程式とは、未知関数とその導関数および独立変数を含む方程式といえ、確率微分方程式とは、ランダムなゆらぎが加わった微分方程式といえます。自然界の多くの現象には様々な形でランダムなゆらぎが入っています。その典型例はブラウン運動と呼ばれるランダムな粒子の動きに由来するもので、このようなランダム性は、確率論の言語によって定式化され、数学もしくはもっと広く数理科学の研究対象となります。確率微分方程式の理論はランダムな現象を解析するための強力な手法を提供し、統計学、物理学、生物学、工学、経済学などといった諸分野にも応用されていますが、ラフパス解析は従来の確率微分方程式の理論に新たな視点を与え、従来の理論では解析できなかったような対象にまで応用範囲が拡がり更なる発展が期待されています。
ゼミナール/研究室のテーマ
数理ファイナンス
研究室では数理ファイナンスの基礎を学びます。離散時間上で定義される金融市場モデルを用いた解析を学んだ後に、連続時間上で定義される金融市場モデルを用いて、ブラック・ショールズ・マートンによるデリバティブの価格付け理論を学びます。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
ゼミ/卒業研究の紹介
私のゼミでは、確率論の関連分野を学んでいます。これまでは数理ファイナンスや数理統計学を勉強することが多くありました。最近は確率過程論を勉強することが多くなっています。希望者には大学院進学に向けた自主ゼミも行なっています。ゼミ生の進路は様々ですが、金融業界の企業を志望する学生が多く、専門的に学んだ内容を将来の仕事に活かしたいと考えている学生が多くいます。
プロフィール
趣味はありません。飲食は好きです。子どもが産まれてから、家族と過ごす時間を大切にしたいと思うようになりました。子どもがまだ小さいので、子どもの成長を実感できる機会が多く、妻と一緒に子育てを楽んでいます。家事や育児に時間を取られることが多くなってきましたが、研究活動も活発に行えるように、引き続き頑張りたいと思います。
高校生へのメッセージ
高校まではサッカーばかりしていました。一浪して大学に入学しましたが、浪人生の頃から自分の将来について考えるようになりました。大学入学後は、大学院に進学したいと思うようになり、大学二回生まででサッカーをやめて、数学の勉強に集中するようになりました。自分の経験を振り返ると、私は一つのことに打ち込むことで成長してきたように思います。それは自分に合っていたのかもしれませんが、私の場合はサッカーと数学でしたが、二つのことを両立して続けられたら、もっと良かったのかもしれないと今では思います。大学は自分と向き合う良い機会だと思います。あなたらしく有意義な学生生活を送ってください。