中澤 正江

NAKAZAWA MASAE
共通教育推進機構 准教授
学位
博士(知識科学)
専門分野
教育工学、高等教育、知識科学

研究テーマ

オントロジー工学的手法によるコミュニケーションの齟齬に関する分析

高校生に向けた研究内容の紹介

確かに同じ言葉を使っていたのに、盛大に行き違ってしまったことはありませんか。
「いつか一緒に映画みよう」と友人と約束していたのに、行き違ってしまった。友人にとって「映画をみよう」は、「家で二人でソファに寝転がって見て、時折止めてはおしゃべりしよう」という約束で、あなたにとっては「映画館で二人並んで音楽と映像に浸りきって二時間前後を過ごし、その後おしゃれなカフェに行って作品について熱く解釈を語り合おう」という約束だったかもしれません。
「映画をみる」と、一見、二人で同じ行為概念を指し示していると思っていても、それぞれが指し示そうとした概念は、似ているようで違う概念だったかもしれません。
こういった行き違い(齟齬)は、学生と教員、異なる専門家同士、初学者と熟練者、世代の違う者同士、いろいろな組み合わせで起こります。
オントロジー工学は、「今、ここにある問題」に登場する概念について、精査を行い、どのように概念を記述すると、そのような齟齬を軽減することができるだろう?と検討する分野です。
概念を分析する・記述する、ということは、実はとても日常的な課題の一つといえます。

ゼミ/卒業研究の紹介

該当なし

プロフィール

「学校で学ぶ」ことは好きですか?嫌いですか?私は嫌いです。「学校」と名前がつくものは、本当に嫌で嫌で仕方がなく、実は進学するつもりもありませんでした。けれど、ひょんなことから「大学」に見学に行くことに。そこはまるで「学校」ではありませんでした。好きな授業を聞き、つまらなくなったら途中で抜けたり、芝生で寝転んだりしている人がいます。誰も怒りません。なるほど、「大学」には「学校」という文字がついていません。 「学校」が大嫌いな人にも、「大学」なら、私のように好きになれる可能性がありますよ。

高校生へのメッセージ

上述の「映画をみよう」と同じように、皆さん、いろいろな行き違いを日々経験されていると思います。その中には、たわいのないもの、面白い・興味深いと思えるもの、とても悲しいもの、悔しくて忘れられないものもあるかもしれません。時に根気を要しますが、解きほぐせば行き違いについて、その根本をよく理解できます。その結果、二人は合意できるかもしれません。あるいは、お互いがどうあっても分かり合えないことについて、深く理解し合えるかもしれません。どちらの結果になっても、その後を生きる二人にとっての納得感に繋がると私は思います。