田中 宏喜

TANAKA HIROKI
情報理工学部 情報理工学科 教授
学位
博士(理学)
専門分野
視覚神経生理学、視覚心理学、視覚計算理論など

研究テーマ

視覚

高校生に向けた研究内容の紹介

人間がものを見て認識する能力は、非常に優れたもので、この優れた情報処理がどのような脳の仕組みで実現されているのかを脳活動計測、知覚判断の測定、視線計測などの方法を用いて研究しています。とくに力を入れているのは、目に映った映像が最初に届けられる場所である脳視覚野において、画像情報がどのように処理伝達されるのか、その神経メカニズムを解明することです。またこの仕組みを数理モデル化しコンピュータ上で実装することで、コンピュータビジョンにつなげていくことにも取り組んでいます。このような研究成果はAI、人工視覚システム、視線を用いたデバイスの開発に役立っています。

ゼミナール/研究室のテーマ

脳視覚系の解明からコンピュータビジョンへ

たくさんの物体が重なり合って見えていても、我々はそれぞれ何であるのかを容易に認識できますが、コンピュータでは難しいことです。そこで、ものを見る脳の仕組みを生理学や心理学実験により徹底的に調べるとともに、これをコンピュータ上でモデル化し、コンピュータビジョンへとつなげる研究に取り組んでいます。

ゼミ/卒業研究の紹介

学生は上述の研究テーマの中から、自分の興味のあるものを選択して、それに取り組みます。脳情報に基づく画像処理ソフトウェアを開発したり、脳や視線信号を測定、解析するためのソフトウェア、デバイスなど開発したりします。それらを使って実際にデータを測定し解析を行うことで、実践的な技術を養っています。

プロフィール

奈良県出身。趣味はスポーツ観戦、町の探索、音楽鑑賞など。
今は研究三昧の生活ですが、子供の頃から科学好きだったというわけではありません。大学生になって様々な研究分野の先端に触れているうちに、研究への興味が一気に強くなりました。このとき、それまでは自分の手では追えないと思っていたものが、頑張れば自分でも新しい研究ができるとわかったことが大きかったと思います。脳科学とコンピュータ工学を融合した自分らしい研究ができればと思っています。

高校生へのメッセージ

大学時代は、人生の方向性を定めていく時期と思います。本当に自分が何をしたいのかを知るためには、様々なことを勉強し、体験することが大切と思います。回り道になるかもしれませんし、挫折も増えるかも知れません。しかし、自分の場合もそうですが、今まで思ってもいなかったものが天職のように現れるかもしれません。またすぐに役だたないことも、将来的に役立つことは多々ありますので、色々学んで決して損はないと思います。大学内外で学べることを積極的に探し、何事にも本気で取り組んで欲しいと思います。