吉川 敬介

YOSHIKAWA KEISUKE
国際関係学部 国際関係学科 准教授
学位
「博士(学術)」
専門分野
開発経済論、ASEAN経済、地域研究(カンボジア)

研究テーマ

東南アジア諸国連合(ASEAN)後発加盟国の経済開発

高校生に向けた研究内容の紹介

「東南アジア諸国連合(ASEAN)後発加盟国の経済開発」をテーマに、ASEAN最終加盟国であるカンボジアを対象として、国内開発戦略と貿易・投資政策の整合問題、そしてそれらに国際関係事象がどのように影響を及ぼすのかについて検討を進めています。その一環として、新冷戦と呼ばれる構造的環境の下でカンボジアの産業・貿易・投資構造がどのようなかたちで中国の影響を受けているのか、主に海外直接投資と国際援助を中心に分析を進めています。

ゼミナール/研究室のテーマ

東南アジア諸国の政治経済と地域研究

政治・経済・社会問題の分析を通じて東南アジア諸国の多様性を理解する

我が国日本は、政府開発援助や日系企業の進出、そして個人レジャー(観光)などを通じて、東南アジア地域との関わりを深めてきました。特に2010年代以降、在東南アジア邦人数と日系企業拠点数は上昇の一途をたどっており、東南アジア地域に対する理解は日本社会においてすでに不可欠なものになっています。
その東南アジア諸国は、多様な民族、文化、社会によって構成され、その多様性と地域的特徴ゆえに複雑な歴史を経験してきました。そして、今日の東南アジア諸国における国家体形、すなわち国民国家統合のカタチ、そしてそれを運営するための政治・経済システムは、そうした多様性や歴史的背景を前提に構築されてきたものです。したがって「地域研究」を通じて東南アジア諸国のこれまでの歩みを理解することは、東南アジア諸国に介在する多くの問題を深く理解するための近道となります。このゼミナールでは、日本との関係性を今後も強めていく東南アジアについて、政治・経済・社会分野を横断した地域研究を進めることで深く理解し、その理解を実践的な情報・知識として身につけることができます。

ゼミ/卒業研究の紹介

今日、東南アジアにおける在留邦人数と企業拠点数は上昇の一途をたどっており、日本経済における東南アジア地域の重要性は高まっています。また日本国内でも、インバウンドを牽引し、そして労働世代人口の減少を補う東南アジアの人々は不可欠な存在となりつつあります。この現状から、東南アジア地域、そしてそこに暮らす人々を取り巻く環境や現状に対する理解は不可欠です。吉川ゼミではこうした問題意識に基づいて、「地域研究」の進め方を学びながら東南アジア諸国のこれまでの歩みを理解し、その過程を通じて東南アジア諸国に介在する諸問題について多角的かつ本質的な理解を深めます。

プロフィール

本学創設者である荒木俊馬先生と同郷の熊本を出身とし、その後神奈川や福岡を渡り歩いて本学にまいりました。こよなく愛してやまない酒と肴を楽しむべく、豊かな京都の四季の情景を楽しみながら、ジョギングや散策を行うのが日課となっています。またファミコン世代ということもあり、家庭用ゲームは今でも大切な趣味の一つです。

高校生へのメッセージ

世界を取り巻く社会・政治・経済の環境は、常に変化し続けています。皆さんが暮らすこの日本は、新興市場が多く変化の激しいアジア地域に属し、周辺諸国とは古くから密接な関わりを有してきました。最近では、インバウンドや外国人労働需要の高まりから、国内にいながら国際感覚を求められることがスタンダードとなる時代に突入しています。そんな時代だからこそ、「競争」と「自己責任」という言葉をネガティブに嫌悪せず、むしろそれを耳にする機会を自己成長の最大のチャンスと捉える「発想の転換」は大きな武器となります。そんな成長の機会がたくさん訪れる大学生活を、目一杯楽しんでください。