加藤 えみか

KATO EMIKA
現代社会学部 健康スポーツ社会学科 准教授
学位
博士(スポーツ科学)
専門分野
バイオメカニクス、運動生理学

研究テーマ

バイオメカニクス、トレーニング

高校生に向けた研究内容の紹介

バイオメカニクスは生体の動きや構造を力学や物理学の視点から研究する学問分野です。生体組織の生理的な特性と、運動に関わる外的・内的な力を調べることで、運動のメカニズムを明らかにします。 スポーツ科学では「動き」を明らかにすることで、それぞれの競技者に必要なトレーニングに繋げることが可能となり、競技力向上や傷害予防に役立ちます。 また、人間工学では「より便利に使える道具、より快適に使える施設を作る」ことにも活用されています。

競技力向上のためのスポーツ科学-身体運動のメカニクス

最適解を導く「測定」と「評価」

スポーツ選手の身体能力、「スポーツパフォーマンス」について研究しています。当たり前ですが、スポーツは競技によって体の使い方や鍛え方が異なります。そのような中でパフォーマンスを最大限に発揮するには、選手に合わせた育成メニューが不可欠です。
加藤ゼミで取り組むのは様々なデータを収集する「測定」と、測定結果を基に考える「評価」。トレーニングのメニュー作成や、効果を明らかにする方法の一つに体組成を評価することがあげられます。体組成とは体脂肪率や筋肉量など身体を構成するもので、整体電気インピーダンス法や超音波画像診断装置で測定します。「評価」はトップアスリートのデータを基に「体脂肪を落とす」「筋肉量を増やす」など必要なトレーニング方法を考えます。

科学でスポーツの未来を変える

「測定」という1つの結果に対して、「評価」はさまざま。その選手にとって最適なトレーニングを見つけたり、場合によっては競技に対する向き・不向き、さらにパフォーマンスを発揮できる種目を提案したりすることもあります。そのような意味ではスポーツ選手の未来の選択肢を広げる可能性のある研究です。
高いスポーツパフォーマンスには必ず理由があります。その理由は「測定」と「評価」によって説明できます。今まではただ「すごい」と思っていただけのスポーツの世界を、科学的に解明するプロセスはやはりワクワクするものです。そんな情報分析のノウハウと、データの考察と活用というクリエイティブな学びを展開していきます。

ゼミナール/研究室のテーマ


身体運動のメカニクス

競技スポーツでは、各競技種目に必要なトレーニングを行うことで、そのパフォーマンスを発揮するために最適な形状(体つき)へ変化します。この可塑性を担うのが、主に骨格筋です。その形状と機能の適応や個人差について、筋力計や超音波画像診断装置を用いて筋形状や筋力などのデータを取得し、現場への活用を目指します。

ゼミ/卒業研究の紹介

競技スポーツでは各競技種目に必要なトレーニングを行うことで、ヒトの生体はそのパフォーマンスを発揮するために最適な形状(体つき)へ変化します。この変化を担うのが主に骨格筋です。その形状と機能の適応や個人差について、様々な計測機器でデータを取得します。また、スポーツの現場で簡便に実施できるフィールドテストの方法と適切な評価手法も身につけます。学生が様々なデータを分析した結果について、グラフやスライドの作成を通して適切に発表できる能力を養います。

プロフィール

幼少期からクラシックバレエを続けており、それ以外のスポーツはあまり行っていませんでした。大学生、大学院生、研究員としての海外留学、帰国後の就職先で様々なスポーツに触れる機会が増え、それに伴い、様々なスポーツの持つ魅力とそのパフォーマンスを向上について常に考えるようになりました。オリンピックや世界選手権などの国際大会が行われているときは、スポーツ種目を問わず見てしまうので、寝不足になることにいつも悩んでいます。

高校生へのメッセージ

私が高校生だった頃、進路選択に際して祖父から「これから先の世界は、確実なもの、これなら安心という職業が存在しなくなってきている。安心や安定は考えずに自分が好きなことを突き詰めるのが良い」と言われました。教員になった今でも、迷った時にはその言葉に立ち戻り、好きなことだからこそ、好奇心を持って動き続けられる日々を過ごしています。「この人がいたから、これに出会えたから今の自分に繋がった」と思える経験は人生をきっと豊かにしてくれます。